小学館、藤子さん描く『ドラえもん』未公開の漫画は「ない」 イラストやカットは「ある」

引用元:オリコン
小学館、藤子さん描く『ドラえもん』未公開の漫画は「ない」 イラストやカットは「ある」

 小学館が27日、都内で12月1日に発売される人気漫画『ドラえもん』の「100年先の未来まで届けたい」をコンセプトに作られた愛蔵版全45巻セット『100年ドラえもん』の記者説明会を開催。先日0巻が発売されたばかりで、「藤子さんの未公開原稿がある場合、50周年記念として46巻が発売される予定は?」と聞かれると『ドラえもん』のコンテンツを扱う部署の担当者は「それはないです」と話し理由を説明した。

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 1969年に小学館の6つの雑誌(『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』)にて連載をスタートした『ドラえもん』は、22世紀の未来からやってきたネコ型ロボット「ドラえもん」と、勉強もスポーツも苦手な小学生「野比のび太」が繰り広げる不思議な日常生活を描いた物語。

 ドラえもんのおなかにある四次元ポケットから取り出す多種多様な「ひみつ道具」で、のび太を手助けしたりする姿が人気となり、テレビアニメは現在も放送中。しかし、漫画は藤子・F・不二雄さんが1996年に亡くなったため、同年で終了していた。

 今回全45巻セットを販売するが「私たちは今まで長く『1~45巻』という言い方をしていました。45巻というのが、最終回を描いた完結巻というわけではないからです。ですが、46巻が出ることは決してありません。先生が生前にご自身で納得して出されたのが45巻までなので、『ドラえもん』にとって特別なコミックだからです」と明かした。

 小学館は、2009年~14年にかけて藤子さんの漫画作品を網羅した『藤子・F・不二雄大全集』を刊行している。ここでは雑誌に掲載された漫画『ドラえもん』が掲載されてるため「これ以上、作品として世に出ることはありません。テーマ別、カラーだけの漫画を集めたものを発売することはあると思いますが、『先生が出した』という意味ではないので、我々としては『ドラえもん』全45巻と区別しております」と話した。

 また、藤子さんが描いた漫画『ドラえもん』の原稿は「すべて世に出ているのか?」と聞かれると「実は未公開のカットやイラストはございます。ただ、漫画と言う形ではない。全集に入れ切れていないものもある。それは(全集に)収録している雑誌表紙の似たようなカットだったりするので、『そこまで入れなくてもいいだろう』と判断した」と明かし、「(未公開イラストは)今回の画集(全45巻セットの購入特典)に入れるかどうか検討中ではあります。先生は雑誌の表紙をたくさん描かれていたので、世に出ていないものは存在します」と伝えた。

 愛蔵版全45巻セット『100年ドラえもん』は、数量限定生産の本体価格7万円(税別)で、28日より全国書店にて予約受付がスタート。『ドラえもん』誕生50周年を記念して企画されたもので、全巻ハードカバー・布クロス装となっており、この本を100年先、ドラえもんが誕生する22世紀まで残したいという思いを込めて、用紙から印刷・製本まで経年劣化を極力軽減することを意識した仕様となっている。

 なお、購入特典は、1:「厳選カラー“幻”画集『ドラ絵もん』」(傑作扉絵やカット類を発表当時のオリジナルカラーで収録。『藤子・F・不二雄大全集』に未収録の原画もあり)、2:完全索引別巻『引くえもん』(ひみつ道具&キャラクターから登場巻を引ける索引巻)、3:『ドラえもん』0巻豪華装丁版(6種類の第1話を収録した0巻)など。