春の番組改編 ゴールデン帯で大幅入れ替えも

引用元:産経新聞

 在京民放キー局の4月改編の内容が出そろった。今回の改編では、ゴールデン(午後7~10時)で各局の対応が分かれた。TBSとテレビ東京が大胆に番組を入れ替える一方で、日本テレビとフジテレビの改編率は一桁台。中でもフジはゴールデンのバラエティーに変更を加えず、春の視聴率決戦に臨む。「放送と通信の融合」が進む時代を象徴し、インターネットとの連動強化を進める番組もある。

■デカ盛り、旅…

 《視聴率ALL元年! “これぞテレ東”を目指して》

 4月から視聴率のメイン表示を世帯視聴率から個人視聴率に変更するテレビ東京は、4月改編のキャッチフレーズをこう掲げる。ゴールデンの改編率は31・5%に上り、在京民放キー局で唯一3割を超えた。

 ゴールデンのバラエティーの新番組で、キャッチフレーズを象徴するのが金曜午後6時55分からの「デカ盛りハンター」。過去にも「TVチャンピオン」で大食い企画を放送してきた同局が発掘した大食いスターが多数出演し、完食者ゼロというデカ盛りグルメに挑んだりする内容だ。

 このほか、水曜午後7時54分からの「水バラ」もテレ東の特色を生かしている。土曜スペシャルで数々の旅番組が放映されているが、新番組ではローカル鉄道とローカル路線バスで名所めぐりを競い合うなど、「旅×対決×ゲーム」に特化した枠にするという。

 ゴールデン改編率が2番目に高いTBSは、月曜のゴールデンとプライム(午後7~11時)を大きく変更する。

 人気芸能人がVTRを持ち込んでプレゼンする「有田プレビュールーム」(午後7時~)、違和感に着眼した「クイズ!THE違和感」(午後8時~)、さまざまな冒険を届ける「アイ・アム・冒険少年」(午後9時~)のほか、初回の30日は4時間スペシャルでスタートする「CDTVライブ!ライブ!」(午後10時~)というラインアップをそろえた。

■実績ある番組投入

 ゴールデンの改編率が最も低いフジテレビは、同時間帯のバラエティーは改編なしとした。「少しずつではあるが数字が上昇傾向にある。今ある番組を残しつつ、さらに数字を上昇させていこうというふうに考えた」(斎藤翼編成部長)という狙いがある。バラエティーではプライムに、人気占い師が街で占いを持ちかける「突然ですが占ってもいいですか?」(水曜午後10時~)など2本の新番組を立ち上げる。

 6年連続で年間視聴率三冠王となった日本テレビもゴールデンの変更は控えめ。水曜午後7時に投入する新番組も、平成27年から特番として13回の放送実績を誇る「有吉の壁」となる。毎週30人を超えるお笑い芸人たちが、さまざまなジャンルの「お笑いの壁」に挑戦して芸人として成長するという内容だ。

■ネットで先行配信

 テレビ朝日は深夜帯に、個性あふれるバラエティー番組を始める。

 注目されるのは、過去の番組で南米アマゾンで暮らす部族に体当たり取材し、全身真っ黒となって「ナスD」として注目された同局の友寄隆英ディレクターの冠番組「ナスDの大冒険TV」(水曜深夜2時21分~)だ。

 同番組は、地上波での放送1週間前に、同局とサイバーエージェントが共同出資して設立したインターネット放送局「Abema(アベマ)TV」で先行配信されることになっており、ネットとの連動強化という意味でも冒険的な番組となりそうだ。(森本昌彦)