明智光秀の夫婦の逸話や織田信長の恋愛も…歴史児童書を“恋バナ”で描くワケ「キュンとする逸話が原動力に」

引用元:オリコン
明智光秀の夫婦の逸話や織田信長の恋愛も…歴史児童書を“恋バナ”で描くワケ「キュンとする逸話が原動力に」

 「胸キュン=恋愛」をテーマに歴史上の人物が描かれた堀口茉純氏著の児童書『胸キュン?!日本史』。大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公・明智光秀と妻・煕子の逸話をはじめ、女性に優しかった織田信長、聖徳太子と菩岐岐美郎女、豊臣秀吉とお寧など、有名カップル全19組の“胸キュン”エピソードが描かれている。イラストは人気コミック『モトカレマニア』作者の瀧波ユカリ氏が手がけ、くすりと笑える4コマ漫画はRICCA氏が担当し、歴史上の人物について楽しく知ることができる。歴史作家、女優、江戸の魅力を伝える“お江戸ル ほーりー”とさまざまな肩書を持つ堀口氏に、“恋愛”を軸に描かれた本作の見どころや、日本史の魅力について語ってもらった。

【漫画】『麒麟がくる』でも話題の煕子&明智光秀の逸話が4コマ漫画に…織田信長ら歴史上の偉人の恋愛が明らかに

◆グローバルな時代を担う子どもたちに、国内外の歴史と文化を知ってもらいたい

――歴史上の人物を「胸キュン=恋愛」を通して描くという発想がとても興味深いです。なぜ、本作を作ろうと思ったのでしょうか?

【堀口】 「胸キュン=恋愛」が私自身の一番遠いテーマだったからです(笑)。これまで、版元から執筆依頼があると自分でテーマを設定させていただいていたのですが、今回は担当編集者よりこのテーマで依頼をいただきました。「自分では絶対描こうと思わないテーマだな…逆に面白そう!」と思って引き受けることにしました。

――なぜ、本作を児童書で描こうと思ったのでしょうか?

【堀口】 私の活動の根底には、「皆に歴史や文化を好きになってもらいたい」という思いがあります。私は日本の歴史と文化が大好きで、世界の歴史と文化を知ることも大好きです。それぞれに素晴らしい歴史があることを理解し、興味を持ち、お互いにリスペクトしあうことが、これからのグローバルな時代を担う子どもたちにとって、とても重要なことだと考えています。私自身、子どもの頃に本を通じて歴史にハマりました。そういう本を自分も作れたらいいな、ということが夢でもありました。

――日本史上の有名カップル全19組が登場していますが、なぜ彼らを取り上げたのでしょうか?

【堀口】 子どもたちが学校の授業で「この人、『胸キュン?!日本史』で読んだ、知ってる!」と思い出し、楽しんでもらえそうなカップル、というのが基準です。日本史はもちろん、『万葉集』や『枕草子』、『伊勢物語』など、国語(古典)の授業が楽しくなる人物も選びました。そして、大人にとっても学び直しのきっかけとして楽しんでもらえるように心がけたつもりです。

――大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公・明智光秀と妻・煕子の逸話も紹介されています。2人の話を取り上げた理由は?

【堀口】 本作にも取り上げましたが、松尾芭蕉が明智光秀と煕子を偲んで詠んだ句が大好きだからです。2人の話は歴史の公式記録にはほぼ残っておらず、2人を慕う人々が語り継いできた逸話が主です。光秀は日本史に本能寺の変を起こした“謀反人”として名が刻まれた人物ですが、そんな“謀反人”にも謀反を起こすまでの人生があり、彼を懸命に支えた妻がいた。そんな2人に想いを馳せる人々がいる。松尾芭蕉も私もその1人、だということです。