香川県「ネット・ゲーム依存症対策条例」、鈴村健一「すごくモヤモヤしたニュース」

引用元:TOKYO FM+
香川県「ネット・ゲーム依存症対策条例」、鈴村健一「すごくモヤモヤしたニュース」

声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。3月19日(水)放送の「リポビタンD TREND NET」のコーナーでは、ネットニュースサイト「ねとらぼ」編集長・加藤亘さんに、「香川県『ネット・ゲーム依存症対策条例』可決」についてお話を伺いました。18歳未満のインターネットやゲームへの依存を防ぐことを目的とした「ネット・ゲーム依存症対策条例」が3月18日(水)、香川県議会で可決されました。このような条例が可決されるのは、全国初のケースです。4月1日(水)から施行されるのですが、県議などから透明性を疑問視する声があがっています。

鈴村:加藤さん、まずこの条例について改めて教えてください。

加藤:香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」は、WHOが「ゲーム障害」を疾病に認定したことを背景に、子どもの学力や体力の低下を防ぐため、ネット・ゲーム・スマートフォンの過剰な利用を制限するものです。

具体的には、香川県内の保護者は18歳未満の子どもに対して、ゲームの利用時間を平日は60分、休日は90分にとどめ、スマホの利用を夜10時までにやめることを目安に子どもと話し合い、ルールを策定。それを守らせるよう努めることになります。

香川県は今後、国や関係企業などにも条例への協力や連携を求めていく方針だということです。

鈴村:今回の条例可決については、疑問の余地も残されているとか?

加藤:この条例を巡って、1月23日(木)~2月6日(木)まで、条例案への意見「パブリックコメント」の募集がおこなわれました。県内の個人・団体から寄せられた意見2,615件のうち、84%にあたる2,269件が「賛成」だったことから、条例検討委員会の1人が、3月18日(水)の本会議で「パブリックコメントは賛成多数だから、もう採決してはどうか?」と発言し、議論はおよそ20分間で打ち切りに。条例は、賛成多数で可決されました。

そもそも“賛否を問うものではない”パブリックコメントで、「賛成票が多いから民意を得た」とするのはおかしな話ですし、さらに地方の条例としては不自然なパブリックコメントの多さから、“賛成のための動員があったのでは?”という疑惑まで浮上しています。

鈴村:透明性という点で、パブリックコメントの全意見の公開はできないのですか?

加藤:香川県議会の共産・自民の議員団が、3月16日(月)にパブリックコメントの全意見の開示を求めました。その結果、翌17日(火)の条例検討委員会から全意見の公開自体は認められたものの、その取り扱いにあたって設けられた“制約”が、とても「公開」とは言えないものでした。

条例検討委員ですら、開示を求めなければパブリックコメントの全意見を見ることができず、しかも開示されるのは採決後…といった制約があり、この姿勢には大いに疑問が残ります。

鈴村:すごくモヤモヤしたニュースでしたね。なぜここまでして、この条例を決めなければいけないのか、逆に気になり始めているところです。この条例について、もう少し知りたいですね。

(TOKYO FMの番組「ONE MORNING」3月19日(水)放送より)