松田丈志氏、東京五輪の価値を心配「予選システムが機能しなくなってきている」

引用元:ENCOUNT
松田丈志氏、東京五輪の価値を心配「予選システムが機能しなくなってきている」

 競泳元日本代表の松田丈志氏が18日、日本テレビ系「スッキリ」に出演し、新型コロナウイルスの感染拡大でピンチの東京五輪(7月24日開幕)について言及した。

【画像】防護服を頭からかぶり、スーツケースを持って空港内を歩くナオミ・キャンベルの実際の写真

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は予定通りの開催を宣言したが、パンデミックの状況下でその実現性に疑問符がついている。

 五輪3大会でメダル獲得の松田氏は、選手の準備について「延期、中止、そういうものが決まらない限りは全力でそこに向かって準備していくというのは当事者がとるスタンスだと思います」と指摘。

 一方で、不安を募らせたのが、東京五輪の“公平“な開催だ。ウイルスのまん延により、競技によっては五輪代表を決める選考レースが中止になるケースが世界規模で起きている。

「仮に7月24日開幕できたとしても、五輪の価値ってどういうところにあるかというと、フェアな状態、ルールのもと選手が競い合うからボクらはそこに感動するし、スポーツって素晴らしいなと思うと思うんですけど、そのフェアな環境を世界中でとれたかどうかということが大事だと思う。そういう意味では予選のシステムというのが機能しなくなってきている。誰もが納得する形で選手選考ができなければ、そのシステムで選ばれた選手がそこで闘った時に、『これって本当にフェアな五輪だったの?』ってなってしまうと思う。そこが今、非常にボクが心配しているところですね」と力説した。

 フランスのように外出制限をかけている国も多く、選手が満足に練習することもできなくなりつつある。

 また、KARADA内科クリニック五反田院長の佐藤昭裕氏は「これからアフリカとか南米に感染が広まって、そこでどのくらいの感染者数、死亡者数が出るかっていうのは想像もできないくらい悲惨な状況になると思う。そういった諸国では水で手を洗うことすらできない現状がある。これまでの流れを考えると、5月中ぐらいにアフリカのピークが来ていてもおかしくない」との見方を示し、アフリカや南米の未来を危惧した。

 五輪まで残り4か月。今後、選手にとっては追い込みの時期だ。しかし、国によって準備段階で“コロナ格差“が生じ、公平な五輪実現に暗雲が垂れ込めている。 ENCOUNT編集部