鈴村健一も共感! アニメ「鬼滅の刃」プロデューサーが思う「いい現場」論

引用元:TOKYO FM+
鈴村健一も共感! アニメ「鬼滅の刃」プロデューサーが思う「いい現場」論

声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。2月17日(月)~2月20日(木)の4日間にわたって、テレビアニメ「鬼滅の刃」を特集しました。
17日(月)、18日(火)のゲストは、テレビアニメ「鬼滅の刃」のプロデューサーをつとめるアニメ製作会社・アニプレックスの高橋祐馬さん。本記事では、18日(火)放送の模様を紹介します。鈴村:アニメ制作は、色々なことを監督が決めるのが一般的だと思いますが、プロデューサーである高橋さんも演出について参加したりするのですか?

高橋:素晴らしいスタッフが素晴らしいものを作られているので、私は、出来上がったものを“最高ですね!”って言うだけですね(笑)。アニメがどんな映像になるかの最初は、絵コンテと言われる設計図のようなもので見えるのですが、「鬼滅の刃」はその時点でどれほど高いレベルの映像を目指しているかが垣間見えて、毎話素晴らしいなと感じていました。

鈴村:アニメ「鬼滅の刃」ですが、制作側としては反響ってどの辺りで感じました?

高橋:すごく特徴的だなと思ったのは、今は毎週のテレビ放送と同時に色々な配信サイトでも本編を見て頂けるのですが、普通、配信の再生数って毎話ちょっとずつ下がっていくのが世の常なのですが、「鬼滅の刃」は毎週ちょっとずつ上がっていったんですよ。

鈴村:めちゃくちゃ珍しいことですね。

高橋:そうしたことや、SNSでの毎日の盛り上がりなども見つつ、たくさんの方に観ていただいていて、お1人お1人が参加してくださることで、その輪が少しずつ大きくなっているというのを放送中に感じていましたね。

鈴村:声だけではなく数字でもそういうのが見えたっていうのは、本物なんだな、と感じますよね。

高橋:すごく嬉しかったですね。

鈴村:すごいな、「鬼滅の刃」。いい現場だと伺っていますし。具体的にどういう所がいい現場だと思います?

高橋:言ってしまえば当たり前ですが、1つ1つのことに真摯であるということ、だと思っています。例えばアフレコ収録の現場でも、花江さんをはじめとするキャストの皆さんが自分から進んでリテイクを出されるということも多かったです。それは映像スタッフも同じで、皆さんものすごい技術と熱意で作られているんですけど、本当に1カットたりとも手を抜かずに、ギリギリまで、全員が自分達にできる最高のものを作ろうということを、1つ1つの作業のなかでやっていくというのを常に感じていまいた。僕自身、頭が下がる思いです。

鈴村:まるで炭治郎のように全集中(「鬼滅の刃」で鬼を倒す鬼殺隊士達が必須として習得する特殊な呼吸法)しているんじゃないかと感じますが、それを保つ秘訣って、どういう所にあるのですか?

高橋:最初のビジョンやコンセプト、“1番最初の想い”みたいなものをちゃんと共有するのが大事だと思います。「鬼滅の刃」でいえば、色々な要素はありますが、一言で言うと「最高の「鬼滅の刃」を作ろう」という想いです。

鈴村:アニメの現場って、共有が実は難しくできているんですよ。絵を作るチームと音を作る声とかを入れるチームが、距離が遠かったりしますもんね。アニメは。

高橋:そうですね。例えばアフレコの現場って、収録とディレクションそれぞれのブースが分かれていて、各ブースの中で作業がありつつマイクを通して相互に連絡があるんですけど、あえて直接の会話や雑談みたいなものって少ないことが多いんです。でも、そこでしか会わない人も多いので、だからこそ「鬼滅の刃」は、ロビーにちゃんとお昼ごはんを用意して、お互いが話す機会を作りました。

鈴村:その結果、みんながそこに集まってきて、自然と会話が生まれるということですね。

高橋:そうですね。ロビーにみんな集まってなるべく喋ろうぜ、みたいなのが。

エリザベス:大事。

高橋:それが、僕がプロデューサーとしてやった唯一の仕事ですね(笑)。

エリザベス:でも、そこで自分が思っていることとかを共有できますもんね。

(TOKYO FMの番組「ONE MORNING」放送より)