新型コロナウイルスがテレビの制作現場に混乱を来している。今クール6本もある医療ドラマで“病院ロケ”ができないと話題になっているが、それどころではないのだ。
「芸能人が登場するイベントが例年ならこの時期は新番組、新製品など、1日10件超えなんてザラだったのに、1日1件、下手したらゼロ。はじめのうちはコロナ禍で困窮する地下アイドルらを取材していましたが、このままではフリー稼業の自分たちの生活も危ういですよ」(フリーのテレビ制作スタッフ)
「予算がかからなくて便利な“街ブラ”ロケが厳しくなりました。食べ歩きや試食や“食リポ”などは衛生上の問題でできないし、長時間のロケバス移動は感染のリスクを高めるということで禁止です。局アナがレギュラー番組で穴をあけようものなら即コロナ疑惑に直結してしまうので、特に局アナロケはテレビ局周辺のみという話もあります。桜の開花リポートも現地の地方局に頼むか、視聴者映像を借りるしかないですよ」(制作会社)
感染拡大で海外渡航が難しいだけでなく、禁止になる恐れもあり、海外取材バラエティー、旅行番組も状況は厳しくなる一方だ。
「海外ロケが目玉の『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)もその筆頭。タレントを海外ロケに連れ出しても、帰国できなくなる可能性も出てきましたから、復活した宮川大輔のお祭り男も難しい。旅番組も国内外両方アウトです。過去映像を編集してお茶を濁すしかないといわれてますが、これで視聴者の地上波離れが進むんじゃないかと危惧しています」(前出の制作会社)
芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。
「今後はドラマはもちろんバラエティー番組もスタジオ制作を強いられるのは致し方ない。ただ、条件が厳しいのは皆同じ。新たな才能が開花するチャンスでもある。新しいクリエーターや芸人が地上波だけでなくYouTubeなどに活躍の場を見いだす可能性もあります」
いつまで続くのか――。
コロナ禍で街ブラ&食リポNGの悲鳴…病院ロケより事態深刻
引用元:日刊ゲンダイDIGITAL