予約の取れない“伝説の家政婦”誕生秘話…きっかけは日本のフレンチの堅苦しさ

引用元:TOKYO FM+
予約の取れない“伝説の家政婦”誕生秘話…きっかけは日本のフレンチの堅苦しさ

アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」。3月12日(木)の放送は、“伝説の家政婦”の異名を持つ志麻さんが登場。家政婦の仕事や、日本とフランスの文化の違いについて話してくれました。坂本:志麻さんは、ある家事代行サービスで働き始めたのをきっかけに、そこでの働きぶりが噂になり、数々のメディアで取り上げられました。今では本も多く出版されて、“予約が取れない伝説の家政婦”とも呼ばれ、話題になっていますね。

志麻さんが伝説の家政婦になるまでの経緯に興味があるんですが、もともと調理師免許を持っていらっしゃって、その後フランスで学ばれたんですよね?

志麻:日本で調理師学校に進学して、その後フランスに行って、帰ってきてからはずっと東京で仕事をしていました。フランス料理店で働いていました。

坂本:どうしてお店を辞めて家事代行サービスで働こうと思ったんですか?

志麻:日本に帰ってきたときに、フレンチの堅苦しさがすごく気になったんですよね。自分自身はフランス料理やフランスの文化を通じて、レストランのかしこまった雰囲気ではなく、みんなが食卓を囲んでワイワイ楽しくおしゃべりをしているところが好きだったんです。それがレストランだと形にはできないし、何か違和感がずっとあったので、レストランの仕事を辞めて家政婦という仕事に就きました。

坂本:家政婦というお仕事は、料理だけをするわけではないですよね?

志麻:お掃除とかペットの世話とか、何でもやっていました。

坂本:家事は得意だったんですか?

志麻:当時は得意だからやるというよりは、本当はお料理だけで仕事がしたいんだけど、それだけだとお客さんが来てくれないかもしれないと思って“何でもやります”って形でやっていました。

坂本:志麻さんは3時間で15品の料理を作れるとのことですが、フランス料理で15品作れるということですか?

志麻:いえ、お家で毎日食べる食事なので、やっぱり毎日飽きずに食べられるように作っています。専門はフレンチなんですけど、和洋中やエスニックなど、毎日“楽しいな”って思ってもらえるようなメニュー作りをしています。

坂本:その志麻さんのお料理に対する考え方というのは、ベースはどこにあるんでしょう? 志麻さんがそういったご家庭で育ったということなんでしょうか?

志麻:私は7人家族で、おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に住んでいたんですけど、どちらかというと古い日本文化というか、黙って食べるような雰囲気だったんです。だからフランス料理に出会ったとき、フランス人がすごく楽しそうに食べていて、会話が途切れないのが衝撃的で。“こんなに楽しいことを毎日できるんだ”って思ったときに、なんていい文化なんだろう! と思いました。

坂本:毎日ホームパーティーみたいな感じ?

志麻:日本だと、どうしても「何を作ろう」って考えてしまうところがあると思うんですけど、フランスの人たちはそんなことよりも“食べること”を楽しんでいらっしゃるように見えて、それがすごくいいな、と思ったんですよね。

(TOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」3月12日(木)放送より)