「ただの破壊行動と言う人もいるが…」バンクシーの大規模個展プロデューサーが魅力を解説

引用元:TOKYO HEADLINE WEB
「ただの破壊行動と言う人もいるが…」バンクシーの大規模個展プロデューサーが魅力を解説

 イギリスを拠点にする匿名の現代アーティスト・バンクシーの作品、約70点以上が集結する展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』の内覧会が13日、横浜の開催会場にて行われ、プロデューサーのアレクサンダー・ナチケビア氏が来場。さまざまな逸話を交えつつ、バンクシー作品の魅力を語った。

 本展は、ナチケビア氏が各地のコレクターらから集めたバンクシー作品を一堂に展示する、過去最大規模の個展。ナチケビア氏は「私は個人的にバンクシーを知っているわけではありませんが、2006年にロサンゼルスで行われていた展覧会で初めてその作品を見て非常に感銘を受けて以来、彼の作品を常に探し続けて来ました」と話し「われわれのチームのメンバーでも、作品についての意見が人によってまったく違います。バンクシーの作品は見る人によって受け止め方が違い、人に考えさせ対話させる力を持っている。それこそが今の人間が忘れがちなこと。われわれは、ニュースの見出しを見てそこから一歩掘り下げることをしなくなってきていると思う。バンクシーの作品は考えることや感じること、行動する気持ちを触発してくれます」と語った。

 またナチケビア氏は「とあるイギリス紙で、バンクシーの作品はただのヴァンダリズム(破壊行動)であって価値はない、とする記事があり、そこから“天才か、反逆児か”というタイトルを付けました。われわれは当然、彼は天才だと思っているわけですが、その判断はみなさんそれぞれに委ねたいと思います」と、展覧会をアピールした。

 会場には、オークションにかけられ1億5000万円で落札直後に、バンクシー自身が額縁に仕掛けていたシュレッダーで下半分が裁断され物議をかもした「少女と風船」(別エディション)や、ケイト・モスの新婚旅行中、バンクシーからの結婚祝いとして、ケイト当人も知らぬ間に彼女の自宅のバスルームに置かれていたという〈ケイト・モス〉シリーズなど、バンクシーならではのユニークな逸話で知られる有名な作品も数多く展示されている。

『バンクシー展 天才か反逆者か』は3月15日から9月27日まで、アソビル(横浜市西区)にて開催。