【いだてん】宮藤官九郎&松坂桃李、最終回よりひと足先にゴール

引用元:オリコン

 NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00)にあわせて、全国各地で開催してきた「大河ドラマ『いだてん』トークツアー」。その「グランドファイナル」が8日、静岡県浜松市で開催された。登壇者は、1964年東京五輪の組織委員会、式典課のメンバーである岩ちんこと岩田幸彰を演じる松坂桃李と、『いだてん』の作者である宮藤官九郎。ドラマの最終回(第47回)より1週先にゴールテープを切ることになった。

【写真】『いだてん』第46回の場面写真

 後半の主人公・田畑政治ゆかりの浜松市での開催ということもあり、観覧には1万3000件以上の応募があり、9倍の倍率となった抽選で当選したおよそ1400人の観客が集まった。

 トークイベントは、松坂の「最後ということで、このような特別な日に皆さんと過ごせる時間を大切にしたいなと思っています」というあいさつでスタート。

 松坂が演じる岩田について宮藤は「紀行でも紹介されていましたが、岩田さんは二枚目で、とにかく女性に人気があったんです。第40回に岩ちんが田畑さんに初めて会うときに、国立競技場で打合せしてたら、向こうから岩ちんが手を振りながら走ってくるシーンがあるんですが、本当は『早く着きすぎちゃったんで女性といちゃいちゃしてました』というせりふがあって、遠くに見える女性とイチャイチャしていたという設定だったんだけど、カットになった」と、暴露した。

 実は撮影はしていたらしく「撮影したんですよね? どういうイチャイチャだったんですか?」と宮藤が問い詰めると、松坂は「ひざ枕をされて、おにぎりを食べている、という感じでした。(撮影時に)『相手の方はお付き合いをされている方ですか?』と聞いたら、『妻です』って。相手は奥さんだったんです」と、宮藤も知らない設定が加わっていたことが判明。

 宮藤は「早く着きすぎたから奥さんとイチャイチャしていたんですか!」と爆笑しつつ、「岩田さんはどんなに忙しくても、コンパニオンの面接だけは自分でやったっていうのは史実なんです。そこに前回(第45回)、金栗(四三)さん(中村勘九郎)が来たのは創作です」と、説明。松坂は「ぼくは金栗四三さんとお会いする機会がないと思っていたので、あそこで共演できたのはすごくうれしかったです」。

 『いだてん』には、うそのような本当の話、史実がたくさん盛り込まれていた。宮藤は「岩田さんは初めての専任の職員なんです。それまでの人たちは組織委員会をやりながら他に職もあった。それを田畑さんが『岩ちんオリンピック専門にやってくれ、会社辞めてこい』って。だから田畑さんの犠牲に一番なっている人なんですよね。昔は自由というか、『こいつやる気あるから』と田畑さんが決められた時代だった。森西さんのタクシーのエピソードも本当なんですけれど、そういう自由参加みたいな雰囲気があったんでしょうね」と、しみじみ。

 8日に放送された第46回にも「田畑さんが組織委員会に乗り込んで、ずばっと良いせりふを言うんですが、実は岩田さんが文章に残していたものなんです」と、出典を明かしていた。