村西とおる「全裸監督」間男シーンに「山田孝之君はよくぞ演じてくれた」

引用元:TOKYO HEADLINE WEB
村西とおる「全裸監督」間男シーンに「山田孝之君はよくぞ演じてくれた」

“AV界の帝王”こと村西とおるが12日、紀伊國屋書店新宿本店で新刊『人生、死んでしまいたいときには下を見ろ、俺がいる。』(祥伝社)の発売を記念したトークショーを行った。

『ナイスですね』をどういう時に使うかというと……

 Netflixオリジナルドラマ「全裸監督」主人公のモデルとしても話題の村西は、登場するなり自身の代名詞でもある「ほら貝」の笛をプーと吹き鳴らし「お待たせいたしました、お待たせしすぎたかもしれません。昭和最後のエロ事師、村西とおるでございます」と挨拶。「お断りしておかなければいけないことがございます。(イベント前に)一番多かったのは女性からの『今日は顔にかけていただけるんでしょうか』。中には『立ちバックが好きなんです』というお問い合わせがあったそうなんですけど、これはダメなんだと(会場の)課長のほうから言われております。要するに私と一緒に懲役を課せられたくない、とこういうご要望でございます。この2点だけはひとつお許しいただきたい」とのっけから村西節を炸裂させた。

「Netflixで私の伝記が映像化されて、一躍時の人になっちゃった」という村西。「お話がございましたのは2年半前。『あなたの生涯を物語にしたいんだ』と言われ、けっこうですよ、と。主役はどういうイメージですかと聞いたら『まだ決まっていない』。僕の主役を演じていただくのなら福山雅治君かなと伝えたら、ギョッとした顔してね。僕は自分を信じているから『福山雅治がいいんじゃないの』と進言した」と、幻のキャスティング案を明かした。主演の山田孝之に「あなたは私の自伝に出たりすると、これからお仕事できませんよと申し上げたら『私はCMタレントじゃありません。自分の演じたい世界を演じたい』と言ってもらいました」と、山田の役者根性に感謝するひと幕も。

 村西が特に印象的だったのは間男されたシーンで「子どもが2人いたんですけど、ある日家に帰りましたら女房が今まで出したことのないような声、見せたことのないような表情をしていたんですね。それを見た時に私は『この世にこんなことがあるのか』という経験をしました。その時の私のえも言われぬ表情というものを、山田孝之君はよくぞ演じてくれたな、と。さすがカメレオン男優だなと思って感動いたしました」と語る。

 また、自身の名言の使い方についてもレクチャー。「『ナイスですね』をどういう時に使うかというと、男性が女性の脚の付け根を30センチくらいの至近距離でご確認になられた時に言うべき言葉なんです。30センチくらいの距離にきますと、我々は黄色人種でございますので色素沈殿しております。ところが半知半解の男は、見た瞬間にあんまりなことを言う奴がいる。女性はとっても気にするんです。そういう時に言ってもらいたい言葉が『ナイスですね』。そうすると女性は“この方はいろいろ言いたいことがあるだろうけど『ナイスですね』という雅やかな言葉を私に発信してくれた。こんな深いパーソナリティをしている人材なのか”と思っただけで極まるんですよ」と熱弁を振るった。

 前科7犯、アメリカで懲役370年を求刑され、借金50億円……とさまざまな逸話を持つ村西は、ファンから悩みについて問われると「ポジティブに考えることで乗り切ってこれた気がしますね。人間には最後の最後まで諦めない、そういう生命力が備わっている。『もはやこれまでだ』と思ったらこれまでなんですよ。でもね、自分自身が考える絶望だから。客観的には絶望なんてないですね」と持論を展開。「だから清原(和博)君だとか槇原(敬之)君が、1回や2回捕まったって顔を隠したりオロオロしていることが、僕から言うと片腹痛いんです。世の中は前科7犯でもちゃんと受け入れてくれるんですよ。前科7犯っておぞましいでしょう? おぞましくてもこうして世の中に出てお仕事をさせていただいている人間がいるんだから、めげる要因は何ひとつないんですよ」と村西なりのエールを送った。

 村西が自身の経験から生み出した珠玉の言葉を集めた同書。最後に「荒海でボートを一生懸命漕いでいる自分がいると考えてください。ふっと脇を見たら72のオヤジが、小さな木の板にしがみついて、必死こいて丘に向かって灯台を探して泳いでいる。それを見たら『こんな阿呆がまだ頑張っているのなら私も頑張れる』と思うと思うんです。そんな時に(ソフトバンクグループの)孫正義さんとか(ユニクロの)柳井正さんのことを考えちゃうからダメなんですよ。何かあったら私のことを思い出してください。『あんな馬鹿が、あんな頓珍漢が、愚か者が生きているのなら私はこの程度のことは大丈夫』だと」とファンにメッセージを送り、新刊をPRした。