新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は2月28日、小中学校や高校などに春休みに入るまで臨時休校を要請。その報道直後から、家で過ごす子どものために児童書を買い求める親たちが、書店に多数訪れていると言う。書籍市場をけん引する「児童書」のジャンルだが、すでに昨年を上回るセールスの伸びを見せているようだ。
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■外出控えで増える子どもの読書 「児童書」市場はすでに前年同月上回る最新3月16日付の「オリコン週間BOOKランキング」 ジャンル別「児童書」(集計期間3月2日~3月8日)をみると、4位の『小学生なら知っておきたい教養366』(小学館)や、6位の『お金の使い方と計算がわかる おかねのれんしゅうちょう』(学研プラス)、10位『おやくそくえほん』(日本図書センター)といった教養をテーマにした作品が散見される。
中には、2009年刊行の『新型ウイルスのサバイバル 1』(朝日新聞出版)というタイトルも17位にランクイン。外出を控え、自宅で過ごす時間が増える子どもたちに向けて、読書をうながす親たちの心境がうかがえる。
「臨時休校発表当日から、お子様連れのお客様が増加し、児童書、学習参考書やコミックの販売部数が伸長しています」と話すのは、TSUTAYAの広報担当。
また、30万部を突破するヒットとなっている『東大教授がおしえる やばい日本史』など、“楽しくてためになる”児童書に力を注ぐダイヤモンド社の宣伝プロモーション担当者は、「臨時休校発表当日から、すべての児童書の売り上げが急増している」と言い、「家庭で過ごすことが多くなる子どもの時間つぶしという需要はもちろん、学習機会が減ることにならないよう、ゲームやマンガではなく、少しでも知識になる本を読ませたいという親の願望があるのだと思います」と分析する。
児童書市場動向をみると、2020年1月度が77.2億円で対前年同月比は104%、2月度が59.8億円で同112%(3/9付時点)。この調子だと、3月はさらに伸びることが見込まれる。
自宅学習の影響も…「教養」テーマにした児童書の需要増 市場はすでに前年超えで出版社に商機
引用元:オリコン