宝塚、再び中止…19日まで “春の風物詩”宝塚音楽学校「合格者掲示」初の取りやめ

 宝塚歌劇団は11日、東京宝塚劇場公演を12日から、兵庫・宝塚大劇場公演を13日からいずれも19日まで中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で2月29日から公演を中止し、9日に再開したばかりだったが、政府がイベントの自粛期間延長を要請したことを受け、決定。また、タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校は、入学試験の合格者の受験番号の学内掲示を今年は取りやめることを発表した。

 演劇界の先陣を切って9日に公演を再開した宝塚が、再び公演中止の苦渋の決断を下した。

 公式サイトで11日、東京宝塚劇場の雪組公演「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」を12日から、兵庫・宝塚大劇場で13日に開幕予定だった花組公演「はいからさんが通る」をいずれも19日まで中止すると発表。

 雪組はトップコンビの望海風斗(のぞみ・ふうと)と真彩希帆(まあや・きほ)が10月に退団することが発表されており、花組は新トップの柚香光(ゆずか・れい)のお披露目公演で、いずれも注目されていた。

 歌劇団は2月29日~3月8日の公演中止を経て、同9日に公演を再開。星組公演の新トップコンビ、礼真琴(れい・まこと)と舞空瞳(まいそら・ひとみ)のお披露目公演千秋楽に加え、専科スターの華形ひかるの本拠地ラストステージという特別な公演で、客席の換気強化やサーモグラフィー導入など対策を講じて実施していた。

 100年以上の歴史があり、戦争や震災などの苦難を乗り越えてきた宝塚だが、早期の公演再開をめぐっては賛否両論があった。歌劇団の広報は、サンケイスポーツの取材に詳細は明かさなかったが、「いろいろな意見をちょうだいしました」とした。

 また、この日、タカラジェンヌを養成する兵庫・宝塚市の宝塚音楽学校は、27日に予定した108期生の合格者発表について、恒例だった合格者の受験番号の学内掲示を取りやめると発表。学校のホームページのみで公表する。

 近年の受験は20倍を超える難関で、合格発表では受験生たちの悲喜こもごもが見られ、春の風物詩だった。同校によると、学内掲示を取りやめるのは初めて。4月17日の入学式は予定通り実施するとしている。新型コロナは、乙女の園の伝統にも水を差した。