「お湯」のペットボトルに騒然? 唯一無二を突き進む“チェリオ的発想”とは?

引用元:オリコン
「お湯」のペットボトルに騒然? 唯一無二を突き進む“チェリオ的発想”とは?

 先月、SNSに投稿された自販機で販売される「お湯」のペットボトルの写真。「ついにお湯を売る時代になりましたか…」「ただのお湯を売る勇気(がすごい)」「ずっと欲しかったんだ自販機のお湯!!!」などさまざまな意見が飛び交い、大きな話題となった。この商品を販売したのが、おもに関西・中部を拠点にしている飲料メーカー・チェリオグループ。「お湯」以外にも個性的なパッケージのさまざまな商品を開発し、たびたび話題になっている。大手メーカーとは一線を画した独自路線を進む株式会社チェリオコーポレーションマーケティング課の高田梓氏に、その発想の原点について話を聞いた。

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「お湯」の商品化、自販機に「ただのお湯です」…常識にとらわれない発想が“バズ”りを生む

 そもそも、自動販売機で「お湯」を販売することについて、どういう理由で商品化に至ったのだろうか?
「自動販売機ではホット販売の500mlのペットボトルが少ないことから、大容量の温かい飲み物を飲んでいただこうとお湯、ほうじ茶、ブラックコーヒーの3品を数量限定にて試験的に発売しました。なかでも「お湯」は美容・健康に気を使われる方は冷たい飲み物を避けること、カフェインを控えている方はホットドリンクの選択肢が少ないことから商品化しました。当初は、『どんな需要があるのかわからない』『ついにチェリオがただのお湯を売り始めた」など、需要を疑問視されるお声もたくさんいただいたのは事実です」(高田氏)

 だが、SNSやメディアで取り上げられると、そうした否定的な意見が一掃された。
「多くの方に知っていただけるようになってからは、『お湯を飲みたかった、待っていた』『自販機にあったら買うのに!以前からと思っていた』というような声を多くいただきました。数量限定、かつ地域限定の製品にもかかわらず、全国のお客様に弊社製品を知っていただくきっかけとなり、大変ありがたく感じております。弊社は、『おいしい、たのしい、あたらしい』をモットーに、常識にとらわれず常にお客様に楽しんでいただけるような美味しい飲料を提供することを重要視しています」(高田氏)

 「お湯」という意外なアイデアに加え、商品開発ではこだわったポイントがあるという。
「中身自体は通常の天然水と同じですが、パッケージデザインにこだわりました。お湯の『あたたかさ』を感じていただくべく、通常は天然水の商品に使用しないオレンジ色を基調としたデザインにし、またキャッチコピーも『ただのお湯です(無料じゃないよ)』と、面白がってもらえるような工夫をしました」(高田氏)