「スータン」眞帆志ぶきさん、肺炎のため死去 87歳

 「スータン」の愛称で親しまれた元宝塚歌劇団男役トップスター、眞帆志ぶき(まほ・しぶき、本名・名和富美子、旧姓・鈴木)さんが9日、東京・西麻布の自宅で肺炎のため死去していたことが10日、分かった。87歳だった。

 1933年、川崎市生まれ。51年に故朝丘雪路さんらと宝塚歌劇団に入団。早くから才能を開花させ、雪組トップとして活躍したほか、71年は歌手としてNHK紅白歌合戦にも初出場した。

 75年に退団後も精力的に活動。2014年の宝塚歌劇団創立100周年時、東京・青山劇場で行われたOGによる舞台「セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~」に出演したのが最後の舞台となった。

 眞帆企画の担当者(73)は「5年前にがんの手術を受け、大腸を全摘しましたが、本人はいたって健康でした。先月末までは食事もきちんととり、たくさん食べていたのですが、亡くなる前日、急に体調を崩し、最後、ベッド上で体を拭いて目を離した隙に息を引き取りました」と説明。「本人は苦しむことなく、大往生。亡くなる3日前までCDをかけて、『舞台に立ちたい、舞台に立ちたい』、と言い続けていました」と振り返った。

 通夜は13日午後6時、告別式は14日午前10時から東京都品川区西五反田5の32の20、桐ケ谷斎場で。喪主は実妹、富岡久仁子氏が務める。