マヂカルラブリー野田クリスタル、シ~ンR―1王者…無観客「やりやすかった」

引用元:スポーツ報知
マヂカルラブリー野田クリスタル、シ~ンR―1王者…無観客「やりやすかった」

 “ひとり芸日本一”を決める「R―1ぐらんぷり2020」の決勝が8日、東京・台場のフジテレビで行われ、マヂカルラブリー野田クリスタル(33)が自身初の決勝で優勝し、賞金500万円を獲得した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、史上初の無観客での開催で本領発揮。野田はコンビでM―1グランプリ、キングオブコントで決勝進出経験があり、唯一のトリプルファイナリストとしてエントリー2532人の頂点に立った。

 無観客開催という芸人にとっては難しい環境でも動じなかった。芸歴18年のマヂカルラブリー野田クリスタルが強さを見せた。

 自らが開発した、攻略が難しいゲームをやるネタを2本そろえた。Aブロックで15点で圧倒すると、決勝でも16点をたたき出し、9点の大谷健太、5点のすゑひろがりず南條に圧勝した。優勝した瞬間、「やった、やった、やったー!」とピースサインで笑顔を振りまいた。

 開始前、審査員の友近(46)は「お客さんがいない方が気が大きくなって何でもできちゃう人もいると思う。そういう人には向いている」と話したが、「僕は無観客の方がやりやすいと思った」と野田。マネジャーやスタッフら関係者約50人がマスク姿で後方から見守るだけ。観客がいるはずの場所にはテレビカメラが入る異様な空間もプラスに変えた。「スタッフもいたし、本当の無観客でネタ見せとかもしていたのでメンタルは鍛えられていました」

 無観客開催が決まり、対策を講じた。「審査員の方を笑わせようと…」。その言葉通り、審査員の桂文枝(76)は「無観客の中でそれを感じさせなかった」と評価した。ライブ、舞台など公演が中止になったのも幸いした。「観客がいると(そのための)練習ができないので…」。無観客となり、急きょ携帯電話によるお茶の間投票とツイッター投票が導入された。「リアルに言うとネットの投票が大きかった」。ゲーム好きなネット民の支持も得て、昨年2回戦で敗退した男に追い風が吹いた。

 17年の「M―1グランプリ」では審査員の上沼恵美子(64)から「頑張ってるのは分かるけど、好みではない」「よう決勝残ったな」と酷評され、話題を呼んだ。18年のキングオブコントでも決勝に進み、唯一のトリプルファイナリストとして、一気に栄冠をつかんだ。最後にコメントを振られ「やっぱりあの人に…。えみちゃん、ありがとう!」と絶叫。王者らしく、悔しかった過去も、したたかに笑いでまとめてみせた。

 ◆マヂカルラブリー野田クリスタル 1986年11月28日、横浜市生まれ。33歳。15歳で「セールスコント」というコンビを組み、ピン芸人を経て2007年2月に村上とマヂカルラブリーを結成。17年にM―1グランプリ、18年にキングオブコントの決勝に進出した。 報知新聞社