野田クリスタル“無観客”逆手に『R-1』王者 ゲーム愛実らせる「報われた」

引用元:オリコン
野田クリスタル“無観客”逆手に『R-1』王者 ゲーム愛実らせる「報われた」

 “ひとり芸”No.1決定戦『R-1ぐらんぷり2020』が8日に行われ、お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタル(33)が優勝した。新型コロナウイルス感染拡大予防のため、一般客の来場を取りやめて史上初の“無観客”大会となったが、芸人にとって厳しい状況を逆手に取り審査員と視聴者投票で多くの支持を得て、18代目の王者の称号と優勝賞金500万円を手に入れた。

【写真】『R-1ぐらんぷり』を優勝した野田クリスタルのネタ

 ファイナリストは、Aブロックは野田、メルヘン須長、守谷日和、SAKURAI、Bブロックはルシファー吉岡、ななまがり森下、パーパーほしのディスコ、すゑひろがりず南條、Cブロックはヒューマン中村、おいでやす小田、ワタリ119、敗者復活を勝ち上がった大谷健太。ファーストステージを勝ち上がった野田、南條、大谷によるファイナルステージが行われ、野田が30票中16票を獲得して、2532人の頂点に立った。

 2017年には“漫才日本一”を決める『M-1グランプリ2017』、翌18年には“コント日本一”を決める『キングオブコント2018』の決勝へと駒を進めたことから、野田は今回の『R-1』ファイナリストで、史上初の3大お笑い賞レース決勝進出という快挙を果たした。今回の舞台では、ファーストステージでは激ムズゲーム、ファイナルステージでは「お姉さんのストッキングをハサミで切る」という自身が開発した独特すぎるアプリゲームで見事に栄冠を手にしたが、優勝にいたるまでの道のりをしみじみと振り返った。

 「『M-1』『キングオブコント』ともに決勝出られたんですけど、どちらもクソみたいな結果だったので(今回は)本当に優勝できてよかったです。解放されました。報われたなと思いました。頑張ってきました、本当によかったです」

 無観客となった点については「僕は無観客の方がやりやすいのかなと。今回はスタッフさんがいたんですけど、完全なる無観客の中でやるネタ番組とかあって、メンタル鍛えられて、その番組は『あらびき団』というんですけど(笑)。それに比べたら全然楽です。審査員の方々を笑わせるつもりで頑張ってきました」と余裕の笑顔。『M-1』で愛のムチを受けた上沼恵美子が、カンテレで冠番組『快傑えみちゃんねる』を持っていることから「500万使って何かを献上しようと思います。えみちゃん、やったよ」とラブコールを送った。

 無観客での生放送ゆえに、時間配分も通常とは異なり、今回は優勝後に“ゆとり”ができてしまったが、野田は「ああいう時こそ一丸となってっていう感じがしましたね。南條もスベりにいって」とニヤリ。勝因に関しては、審査員票とともに設けられた、審査員の評価に加え、視聴者投票として、テレビのデータ放送による「dボタン投票」と、同大会ツイッター公式(@R1GRANDPRIX)からの投票でファーストステージ、ファイナルステージともに6票を獲得できたことを挙げた。

「リアルに言うと、ネットの投票がけっこう強めに入ったからかなと。ネタの内容がゲームだったので、割とネットの方の投票が入ったんじゃないかな」。ネタ中のゲームは、その場で実際にプレイしているようで「調子悪い時には、どうしようもないところでゲームオーバーになったりします」と笑わせた。

 テレビ東京の深夜バラエティー番組『勇者ああああ』(毎週木曜 深1:35)では、自作のゲームをプレゼンしたり、好きなゲームについて熱弁していたが、この日も優勝の副賞として贈られる“冠番組”の内容について「ちょっとゲームを盛り上げたいと思っていますので、ゲーム番組やりたいと思っています」と即答。そんな野田に対して、『勇者ああああ』の番組ツイッターはこう祝福していた。

 「野田クリスタルさん、優勝おめでとうございます。めちゃくちゃ売れてもウチの番組出てくれたら嬉しいです。あ、野田さんが出てる#勇者ああああ最新回ですが無料で公式配信しております。ご家族でぜひどうぞ。ニコニコ動画、TVer、GYAOでも配信中。コバンザメ方式で宣伝させていただきました」

 『あらびき団』での無観客経験、『勇者ああああ』でのゲーム愛…どちらも“お笑い好き”が愛する深夜バラエティー番組での経験を生かして、見事にピン芸人のトップに躍り出た野田クリスタル。これから、どんな歩みを見せてくれるか大いに期待が集まる。

 決勝の模様は、同日午後7時よりカンテレ・フジテレビ系で生放送され、司会は蛍原徹、フジテレビの三田友梨佳アナが務め、昨年王者の霜降り明星・粗品も登場。審査員は桂文枝、関根勤、久本雅美、陣内智則、友近、勝俣州和が務めた。

 同大会は“ひとり芸日本一”を決める大会として、2002年にスタート。歴代優勝者は以下のとおり。

第1回 だいたひかる
第2回 浅越ゴエ
第3回 ほっしゃん。(星田英利)
第4回 博多華丸
第5回 なだぎ武
第6回 なだぎ武
第7回 中山功太
第8回 あべこうじ
第9回 佐久間一行
第10回 COWCOW多田
第11回 三浦マイルド
第12回 やまもとまさみ
第13回 じゅんいちダビッドソン
第14回 ハリウッドザコシショウ
第15回 アキラ100%
第16回 濱田祐太郎
第17回 粗品