桂紋四郎、テレワーク落語会ライブ配信「世間がやるなら、落語家も」

桂紋四郎、テレワーク落語会ライブ配信「世間がやるなら、落語家も」

 Youtubeを利用したオンライン落語配信「テレワーク落語会」を始めている落語家、桂紋四郎(32)が8日、大阪市北区の天満天神繁昌亭からライブ配信し、上方落語協会会長の笑福亭仁智(67)も激励出演した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で落語会の中止が相次ぎ、「仕事12本が飛んだ。1本平均2万円として24万円」と減収を余儀なくされた紋四郎。「世間がやるなら、落語家もテレワークせなしゃあないやろ」と噺家仲間で雑談するうち、発起人となって上方の若手落語家と先月24日から配信したところ、チャンネル登録は約1500人を突破した。

 落語やトーク中心の配信は連日、自宅を中心に行ってきたが、「公演中止の状況がいつまで続くんやという中で、庶民の声を笑いに乗せてきた落語家がこのままでええのか」という仁智から「繁昌亭からできるか」と電話があり、「すぐにできます」と快諾。

 「若手が協力してやってることを協会のお偉方があたたかく見守ってくださってる。きょうは、その象徴的な日」

 午前11時から繁昌亭3階の会議室で始まった配信では、笑福亭鉄瓶(42)、桂雀太(43)が1席ずつ披露した後に出演した仁智が「アナログ人間で全然わからんかったが、おもしろい空間に新鮮さを感じた」と手応え。

 「『上方落語を初めて聞きました』とか、YouTubeはコメントが流れる。『大阪の人間はアタマおかしい』っていう声が逆にうれしかった。落語もうまくなった気がする」と紋四郎。

 15日までの中止を決めている繁昌亭の公演再開については週明けの理事会で話し合うが、仁智は「もっと休むとなれば、ネット配信も現実的になる」といい、次回は照明や音響の設備を整えた上で繁昌亭の高座からの配信も視野に入れている。