新型コロナウイルスで不安を煽るだけのテレビ番組に辟易

新型コロナウイルスで不安を煽るだけのテレビ番組に辟易

桧山珠美【あれもこれも言わせて】

「新型コロナウイルス報道」に辟易している。騒ぎ過ぎなどと言おうもんなら、非国民呼ばわりされそうな勢いだ。

 やっていることはどこも「マスクしろ」「手洗いしろ」「うがいしろ」と今月の目標を決める学級会かというようなことで、「マスクの正しいつけ方」や「手洗いの正しいやり方」などこれまた保健体育レベルを繰り返すばかり。マスク不足については早朝のドラッグストア前の行列を映し不安を煽る。「トイレットペーパー不足」「ティッシュペーパー不足」「紙おむつ不足」「ナプキン不足」といった紙関係にとどまらず、免疫を高める納豆も不足だって。

 それもこれもいまだ原因不明で特効薬もなく有効な対策もない不安感からきているのだろう。メディアは不安感を軽減させる報道をすべきなのに逆に煽る。全国の「小中高一斉休校」要請では「両親共働きの子供はどうする?」「親が働けなくなる」ときた。夏休みはどうしていたのだろうと素朴な疑問が湧いた。昔と事情が違うのはわかるが、休校になって喜んだ子供時代を思い出した。

■置物状態のジャニーズのキャスター

 ワイドショーはタレントを安易にキャスターに仕立てたツケが回っている。テレビ朝日系の土曜朝の「週刊ニュースリーダー」と日曜朝「サンデーLIVE!!」のジャニーズキャスター。どちらも進行はテレ朝のアナが務め、城島茂はスタジオでは置物状態。東山紀之も「このピンチをね、みんなの知恵でチャンスに」と上っ面発言。「ピンチをチャンスに」って中小企業の社長か。

 中山秀征、中丸雄一の「シューイチ」(日本テレビ系)など最初から諦めているのか、トップニュースが“NYでマリオ体験”って、これはこれでどうなの? 新型コロナウイルスで不安を煽るだけのテレビ番組に辟易 舛添要一(C)日刊ゲンダイ ■時の人は白鴎大学・岡田晴恵教授

 こういう時は必ずスターが出るもので、今回は白鴎大学の岡田晴恵教授。

 当初はもごもごしゃべっていたが、今や堂々たるもの。最初は髪形もメークもファッションも頓着せずだったが、ある時から一変、「モーニングショー」では「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットかというような巻き髪くるくるでメークもバッチリ。

 短い時間で的確なコメントを言うのは慣れも必要だから、専門家だからと急に連れてきてもすぐに対応できるとは限らない。いろんな人がテレビに出ている中では「ゴゴスマ」の森田豊医師らは実にわかりやすい。

■元厚労相はシレっと登場

 いただけないのは元厚労大臣。どさくさ紛れでワイドショーにカムバックしてシレッとコメントする舛添要一だ。東京五輪にもいっちょ噛み。コロナと五輪、1人で2人分なので局にはお得なのかどうか知らんが。

 騒ぎ過ぎと思っている人も私の周りにはたくさんいる。そういう声も反映させないのはアンフェアだ。視聴率を稼いで金儲けするTV。前のめりでいいことなど一つもないのを、みんな散々勉強してきたはずなのに。

(桧山珠美/コラムニスト)