LUNO「一種の路上ライブ」SNSで毎日カバー曲投稿し人気博す　新世代の音楽：インタビュー

　シンガーソングライターのLUNOが1月18日、「みずいろの恋」をデジタル配信リリースした。LUNOは都内を中心としたライブやSNS上で精力的に活動しTwitterではカバー動画を毎日投稿。若い世代を中心に人気を集めている。2019年5月にはその投稿数が1千曲に到達。その活動が実を結び、今作は1月から放送されているTwitterドラマ『みずいろの恋』の主題歌にも選ばれた。SNSでの動画投稿は「一種の路上ライブ」と捉え、世相を考慮しながら楽曲を選ぶ彼女に音楽を始めたきっかけや現在の音楽シーン、これからの目標などについて話を聞いた。【取材・撮影＝平吉賢治】 LUNO

Twitterでカバー動画1千本投稿達成

――LUNOさんが音楽を始めたきっかけは何でしょうか。

　もともと音楽を聴くのが好きで、小さい頃にモーニング娘。さんから入っていきました。そこからいきものがかりさんやジャニーズの曲なども聴いていました。高校生あたりからK-POPにハマりだして少女時代さんの音楽に出会い、憧れの存在でもあったんです。ライブで少女時代さんが目の前で踊って歌っている姿を観て、フロートで客席通路を移動するステージに乗ってパフォーマンスをするシーンがあって。その時に「あれに乗りたい！」って思ったんです。

――少女時代のライブ観戦が音楽を始めるきっかけだったのですね。

　ああいう大きなステージで歌ったら気持ち良いだろうなと思ったんです。じゃあ、あれに乗るためには歌手になって表舞台に立って…と、色々考えました。もともと歌うことが好きで、中学生の頃は合唱部に入っていたんです。その時は歌手になろうという考えではなかったんですけど、少女時代さんのライブを観て「やりたい！」と思いました。

――歌手になろうと思い、どんな活動から始めたのでしょうか。

　まず表舞台に立つのに必要なのはライブ出ることだと思ったんです。それに必要なのは、音源や楽器がいるのでギターを始めました。あとは自分の曲が必要だというところで作詞作曲も始めたんです。

――ということは最初からオリジナル曲を始めた？

　ギターの練習はカバー曲からで、ギターが弾けるようになってから曲を作り始めました。ライブ自体はオリジナル曲で出たんですけど。

――ギターを弾き始めてバンドもやったそうですが、どういった経緯だったのでしょう。

　バンドの知り合いがいなかったから、Twitter経由でベースの方が連絡をくださって、その方にバンドの方々を呼んで頂きました。みなさんが私の声に音を合わせて頂くような感じで「自分の曲がこんなにカッコよくなるなんて！」と、自分の作った曲をもっと好きになれました。バンドはやっていて凄く楽しいけど、リハーサルは正直不安になったりしてました（笑）。バンドでのリハーサルも慣れてないのもありましたし、ギターも得意ではないので、「迷惑かけてないかな？」というのもあって。今はほとんど一人ですけど、これからもっとバンドでも歌えたらいいなと思ってます！

――ライブ活動も精力的におこなっているなか、Twitterでカバー曲を披露する動画を千本上げたそうですね。最初から千曲という目標があったのでしょうか。

　全くなかったです。気づいたら千曲でした。さすがに900曲くらいの時には「千曲いこう」と思いましたけど（笑）。自分のなかでどれくらい歌ったか記録できたらいいなと思って、投稿する時は毎回番号を付けていました。

――毎日投稿をしていたとのことですが、そのスパンも決めていた？

　それは毎日やろうと決めていました。凄く大変でした（笑）。カバー動画をやるきっかけとしては、ライブハウスのブッキングの方が「せっかくカバー動画も練習してるなら毎日やって表に出しなよ」って背中を押してくれたこともあって、やるなら毎日だなという意識が生まれました。

――千曲到達した時の意識の変化は？

　いざ千曲いってもガラッと環境が変わったわけではなかったので、一つの通過点というかゴールではありませんでした。

――投稿する過程でフォロワーが増えていく点についてどのような心境でしょう。

　カバー動画で聴いてくださる方がたくさん増えたのでやって良かったなと思います。

――どんなアーティストの曲をカバーしましたか。

　幅広くでした。アイドルさんやバンドとかダンスナンバーも、シンガーソングライターの方々の曲など、アニメソングもカバーしました。

――選ぶ楽曲はどういった選別基準なのでしょうか。

　まず一つは季節です。夏だったら夏の歌だったり、時期によってやっているドラマの主題歌だったり、月9のドラマの曲を月曜日に投稿したりとか…細かいところだとライブチケットの当選日に、ネット検索に引っかかるようにそのライブのアーティストの曲を調べたりして歌ったりしました。

――戦略的な部分もあるのですね。

　フェスとかがあったら、ライブの最後にやっていたアンコール曲を調べてやったりと。あとは聴いてほしいというのも含めて自分の好きな曲をやったりもします。でもほとんどは色んな人が検索している曲を、というのを考えていました。