ハリウッド映画、コロナで50億ドル損失危機 米誌

引用元:日刊スポーツ
ハリウッド映画、コロナで50億ドル損失危機 米誌

世界中で感染拡大が続く 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ハリウッドの映画産業が世界興行収入50億ドル(約5500億円)を失う危機にあると米ハリウッド・レポーター誌が報じた。

昨年のハリウッドは史上最高となる311億ドルの世界興行収入を記録したが、今年は中国全土で約7万館の映画館が閉鎖されていることを受けて、ウォルト・ディズニーが製作した中国の伝記をモチーフにしたアニメを実写化した「ムーラン」の公開延期が決まるなど、世界第2の市場となった中国での興行が激減。 さらに韓国でも例年の同時期と比べて70%近く映画のチケットセールスが減少しており、感染者が急増するイタリアを含む欧州でも興行収入の減少が予想されている。日本でもピクサーのアニメ映画「2分の1の魔法」と「ムーラン」の公開延期が発表され、今後さらなる公開延期作品が増える可能性もあるほか、来日プロモーションの中止など宣伝活動にも影響が出ていると伝えている。

また、来月8日に全米公開が予定されている人気スパイ映画「007」最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」も、ボンドファンたちが集う世界最大のサイトで新型コロナウイルス感染拡大を懸念して公開延期を求める公開書簡を掲載し、波紋を広げている。

5月にフランスで開催予定のカンヌ国際映画祭の開催にも影響が出るとの報道もあり、ハリウッドの映画業界にとって厳しい1年となりそうだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)