新感覚“戦国学園コメディ”をつくったワケ プロデューサー有村昆「日本の空気を明るくしたい思い」

引用元:ENCOUNT
新感覚“戦国学園コメディ”をつくったワケ プロデューサー有村昆「日本の空気を明るくしたい思い」

 戦国時代と学園ものをかけ合わせたら……。そんなユニークな舞台が3月13日から上演される。イケメンだらけの戦国武将の末裔たちが繰り広げるハイスクールコメディ舞台「戦国学園~令和決戦!天下取り~」だ。ENCOUNT編集部では、百名ヒロキ、汐崎アイルらキャスト陣と、企画プロデューサーを務める有村昆氏、楽曲担当で俳優・ミュージシャンの柏原収史氏に、舞台の魅力や意気込みを聞いた。後編は制作陣編。
 
 オリジナル脚本という今回の舞台。岐阜県・不破郡関ケ原にある戦国武将の末裔しか入学できない高校「戦国学園」。生徒たちは勉強もせずに毎日喧嘩に明け暮れていたが、そんな中である事件をきっかけに学園内の陰謀が明らかに。それぞれが先祖への想いと武将魂を胸に、熱い闘いを繰り広げるハイスクールコメディだ。3月13日~3月18日にかけて東京・浅草花劇場で上演される。

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 コンセプトについて有村氏は「戦国ものを取り上げる舞台は、殺陣がメーンで時代設定が400年前のものが多い中で、今回は現代の令和の時代に持っていきました。それに、日々のニュースや生活でちょっと元気がない中で、ひとつ日本の空気を明るくしたいという思いがありました。明るい舞台があってもいいじゃないか、ということで、今回は戦国時代と学園ものの“かけ算”で考えてみました」と説明する。

 その発想の源には有名討論番組があるといい、「『朝まで生テレビ!』で田原総一朗さんや論客が議論しているのを見た時に、戦国時代の合戦をしているみたいだなと思ったんですね。だったら、戦国時代の末裔たちが喧々諤々とやっても面白いなと。戦国時代のサミットみたいなイメージです。そこを学園風に男子校という設定でやったら面白いかなという発想です」と明かした。有村氏は映画コメンテーターとしての顔を持つだけに、「ヒントにした映画は、『戦国自衛隊』。この映画が非常にうまいなと思うのが、現代の自衛隊が戦国時代に入っていってしまう設定です。今回われわれはタイムスリップはしないのですけど、僕らは先祖をたどっていくと、みんな誰かしらの先祖に行く着くわけで、なにか時空を超えたストーリーになるのもいいなと思っています」と話す。

 一方で楽曲担当の柏原氏は、「音楽・劇伴というのは、ドラマをやらせていただいていても、すごく効果がある演出だと思うし、逆に音楽がイマイチだったらその芝居がダメになってしまうぐらい危険なものでもあると考えています。それぐらい思って取り組んでいます」と語る。俳優業をこなすだけに、役者目線で芝居に合うような音楽をイメージしながら作曲に取り組んでいるという。

 今回は、戦国時代がテーマながらあくまで令和の時代設定だ。「戦国なのに時代劇ではないというか、時代をまたいでいるのにSFではないというか。その設定が素晴らしいと思っています。音楽としても、ただ和楽器をメーンにして三味線や太鼓、尺八でいくよりも、もうちょっと現代風の音楽を入れつつ、有村さんのおっしゃる『時代を飛び越える』というイメージをうまく音楽で表現できれば」と意気込む。
 
 キャスト陣には、百名と汐崎のほかに、葉山昴、ヨンミン(元BOYFRIEND)、イ・セヨン(CROSS GENE)、與座亘といったイケメンたちがそろう。有村氏は「キャストが演じる個々のキャラクターにファンがついていってほしいなと思います。キャストのみなさんはそれぞれの分野で活躍されている方なので、もともとついているファンのみなさんにとっても、『この役がすごく好き』と思っていただけたら。戦国無双や戦国BASARAなどがある中で、われわれとしては例えば真田幸村ではなく、(ヨンミンが演じる)『真田録悶(サナダ・ロクモン)』という新たなオリジナルキャラに人気が出てくるようになれば」と期待と込める。

 そのうえで、「これが『戦国学園2、3』というように、ゆくゆくはトレーディングカードが出るぐらいまで(笑)。それぞれのキャラが立つお芝居にして、ゆくゆくは続編、もしかしたらスピンオフで、(與座が演じる)『武田我斬(タケダ・カザン)』のサブストーリーがあってもいいなと。そうなっていけるようにと思っています」と語った。 ENCOUNT編集部