映画デジモンアドベンチャー『ラスエボ』は、「永遠の名曲」から成長を捉え直す感動作

引用元:マグミクス
映画デジモンアドベンチャー『ラスエボ』は、「永遠の名曲」から成長を捉え直す感動作

 2020年2月21日(土)より、映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』(以下:ラスエボ)が公開されました。メガホンを取るのは、自身もデジモン世代のひとりである田口智久監督です。大人になっていく主人公たちとデジモンの絆を描いたストーリーに、SNSでは「涙腺が崩壊した!」「泣かないデジモン世代はいない!」などの声があがっています。

【画像】2000年と2020年のアニメ「デジモン」を比較して見る

 同作品は、1999年にTV放送されたアニメ『デジモンアドベンチャー』の劇場版最新作で、大学生になった主人公・八神太一らの物語を描きます。「デジモン」シリーズをずっと追いかけてきたファンに向けた内容が盛り込まれているのはもちろん、デジモンコンテンツから離れてしまった人の心にも刺さるように作られているのが特徴です。

 たとえば、2000年に公開された映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』をはじめとする過去作品を意識したシーンや演出が劇中のいたるる所に散りばめられており、長年のファンであれば思わず膝を叩いてしまうことでしょう。

 その一方、東京で生活する主人公たちは、かつての冒険の思い出をよそにそれぞれの道を歩んでおり、無邪気で自由だった子供時代のようにはいきません。大人になることに対して焦燥や葛藤を感じる主人公たちに自分を重ね合わせてしまうのは、決してデジモンのファンだけではないはずです。

 アニメなど映像作品のテーマとしての「子どもから大人への成長」は、決して珍しいものではありません。しかし、『ラスエボ』には、その普遍的なテーマを「デジモンアドベンチャー」で描くからこその意味を見いだすことができます。

 それは、アニメの代名詞とも言っても過言ではない、故・和田光司さんの歌う主題歌「Butter-Fly」、そしてデジモンの”進化シークエンス”で流れる宮崎歩さんの「brave heart」の歌詞を意識して作られたと感じられる瞬間が、映画鑑賞中に何度も訪れるからです。