清原和博も…薬物依存症啓発イベント「16年逮捕組」勢揃い

清原和博も…薬物依存症啓発イベント「16年逮捕組」勢揃い

 厚生労働省主催の「依存症の理解を深めるための普及啓発イベント」が1日、神田明神ホール(東京都千代田区)で行われた。

 かつて薬物で逮捕された4人=塚本堅一(42=写真左端)、杉田あきひろ(52=同中央)、清原和博(52=同右から2番目)、高知東生(55=同右端)が、アルコール依存症だった森重樹一(56・ロックバンド「ZIGGY」ボーカル=同左から2番目)らと共に登壇し、トークに参加した。

 森重を除く4人は、2016年に薬物で逮捕された。“花の2016年組なんです”と壇上の「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子氏が紹介すると、コロナウイルス対策の「無観客イベント」ながら、関係者と報道陣から笑いがこぼれた。

 高知は覚醒剤と大麻所持の容疑で16年6月、横浜市内のラブホテルで逮捕され、懲役2年執行猶予4年の判決を受けたが、笑顔で以下のように語った。

「最初は松本(俊彦)先生(国立精神・神経医療研究センター薬物依存症センター長)と『病気だ』『病気じゃない』と何カ月もやりとりがあった。その後『病気だ』と認めることができましたが、最初は自助グループに行くのは本当に嫌だったんです。しかし話せたことで楽になった。今は『生きなおす』ために『捕まってよかった』と思います。僕は“愛人・薬物・ラブホテル”のスリーカードですからね(笑い)。心地よく反省しました」

 同年2月に覚醒剤所持などの容疑で逮捕され、懲役2年6月執行猶予4年の判決を受けた清原は「僕は自助グループの中で一番新人ですが、一歩一歩進んでいます。16歳で甲子園に出てから自分を振り返る時間もなかったが、今それができるようになった」と語った。また清原は現在、薬物の誘惑を断つために、飲酒してしまったり、うつに見舞われたりしている苦悩を明かした。この日は大阪で母の一周忌法要があったが、弟にそれを任せ、昨年に続きこのイベントに参加した。「まだ回復途上ですが、前に進んでいきます」と決意を語った。

 松本医師は「清原さんは昨年とは表情が全く違う」と清原の前進を認めたうえで「薬物犯罪は依存症という病気です。刑罰は効果がないというエビデンスもある。バッシングするだけではなく、周囲が病気だという理解と正しい知識を持つことが必要」として、「自助グループ」の大切さも力説した。

 その後の囲み取材で高知は復帰作も撮影済みだと明かし、沢尻エリカやピエール瀧など薬物事件を起こしたタレントにかける言葉を問われると「自助グループおいで」と即答。「依存症に対して周囲が正しい知識を持って、正しい治療を進めていくことが大切です」と語った。