堤真一×石田ゆり子、初共演 雫井脩介原作『望み』を堤幸彦監督のメガホンで映画化

堤真一×石田ゆり子、初共演 雫井脩介原作『望み』を堤幸彦監督のメガホンで映画化

 作家・雫井脩介の人気サスペンス小説『望み』(角川文庫)が、俳優の堤真一の主演、女優の石田ゆり子の共演で堤幸彦監督により映画化され、今秋全国公開されることが決まった。堤真一と石田は初共演。

【写真】主演を務める「堤真一」

 本作は、誰もがうらやむ理想的な家族の日常が、息子の失踪をきっかけに一変するミステリー。堤幸彦監督とは初タッグとなる堤真一が主人公の一級建築士・一登役、石田が妻・貴代美役をそれぞれ演じる。脚本は、映画『八日目の蝉』『おおかみこどもの雨と雪』やドラマ『Nのために』などの奥寺佐渡子が担当する。

 一級建築士の石川一登(堤)と校正者の妻・貴代美(石田)は、自らデザインを手がけたスタイリッシュな邸宅で、高校生の息子・規士、中三の娘・雅と共に平和に暮らしていた。規士はけがでサッカー部を辞めて以来、遊び仲間が増え無断外泊が多くなっていた。ある晩、家を出たきり帰ってこず、連絡すら途絶えてしまう。一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、高校の同級生が殺害されたというニュースが流れる。警察の調べによると、規士が事件へ関与した可能性が高いという。行方不明は3人。そのうち犯人だとみられる逃走中の少年は2人。息子は犯人なのか、それとも…。

 主演の堤真一は「家族をテーマにしたサスペンスであり、ただの家庭ドラマではない。自分の子供がまだ小さいからか、中高生の子を持つ親の気持ちやその年頃特有の不安定さというのが掴みづらくて、最初はできるだろうかと不安もありました」としながらも「実際撮影に入ってみると、その中高生の子供たちが自分の子供として、とても愛おしく思えたんです。監督が順撮りしてくださったお陰なのですが、家族に一体感が生まれて、無理することなく芝居ができました」と撮影を振り返る。

 石田は「本当につらい物語なのですが、でもきっと目に見えない大切なことが沢山映っている映画になるのではないかと思っています」とした上、自身の役どころについては「息子が加害者であろうと被害者であろうととにかく命だけはあってほしいと願い続ける母親の役なのですがその点においては一切の異論なく彼女の気持ちがわかります。『望みはある』と信じ続ける彼女を演じながら私はいつも、祈るような気持ちでいました」と話す。

 堤幸彦監督は「社会的にも経済的にも成功した主人公が、息子の失踪をきっかけにその『家族』が壊されていく。我が身に明日起きても不思議ではない。そのスリルと感情の揺れをストレートに役者の芝居で描きたいと考えました」と語る。

 映画『望み』は今秋全国公開。