再犯、更生…芸能人がハマるドラッグの“分かれ目” 丸山ゴンザレス氏が警鐘「失神、死に至るリスクも」

引用元:夕刊フジ
再犯、更生…芸能人がハマるドラッグの“分かれ目” 丸山ゴンザレス氏が警鐘「失神、死に至るリスクも」

 芸能人の薬物事件が続いている。有罪判決を受けた女優、沢尻エリカ被告(33)が所持していたのは合成麻薬MDMAだったが、専門家は、闇市場ではより強いドラッグが出回っていると警鐘を鳴らす。沢尻被告は公判で更生を誓ったが、歌手の槇原敬之容疑者(50)やタレントの田代まさし被告(63)ら複数回逮捕される例もある。分かれ目はどこにあるのか。

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 沢尻被告はカプセルに粉末の状態で入ったMDMAを所持していたが、夕刊フジで「地球の果ての歩き方」(金曜)を連載するジャーナリストの丸山ゴンザレス氏によると、カプセルタイプの違法ドラッグは最近、多く出回っているという。「複数の薬物を混ぜた『カクテルドラッグ』が広まりつつある。中身が分からないので使用者も摂取するまでその効果が分からない」というリスクの高さだ。

 「近年のクラブ周辺では、とにかく効き目の強いドラッグが求められる傾向にある。カクテルドラッグは“ちゃんぽん”のようなもので効き目も強く、中には失神するものまであるという」と丸山氏は解説する。さらに、「海外ではガソリンや殺鼠剤を混ぜたクスリまで出回ることがある。これらは死に至るリスクもあり、強力な効果を追求した果てだといえる」というから恐ろしい。

 ■売人が狙うのは…

 薬物事件では再犯リスクにも警戒すべきだ。特に芸能人の場合、薬物使用が大きく報じられる分、事件後も再犯をそそのかす売人が近寄ってくる。

 元厚労省近畿厚生局麻薬取締部捜査第1課長の高濱良次氏は「そういうこともありえる」と前置きし、こう指摘する。

 「売人が再び近づいてくるかどうか、重要なのは本人の態度だ。捜査当局の調べに薬物の入手先を正直に答えるなど協力的な姿勢を見せれば、その後、売人は近づいてこない。近寄れば、自分の存在を告げ口される危険があるからだ」

 捜査に非協力的な姿勢だった場合、「売人から『口が堅い』と認識され、また近づかれる恐れがある。捜査に協力し、自らが治療に積極的な意思を表明することで売人と手が切りやすくなる」と高濱氏は助言する。

 前出の丸山氏は、再犯を防ぐには、一度道を踏み外した人物を社会が受け入れることも重要だと説く。

 「日本では薬物使用者の自助グループはあっても、全員が受けられる回復プログラムがない。著名人が周囲の支えで社会復帰するロールモデル(模範)となることが、薬物使用者の回復やドラッグのリスクに対する理解を深めるきっかけになるのではないか」と提言した。