中谷美紀「ガッツがなかったから」続けられた女優業、結婚・海外生活で変化した仕事との向き合い方

引用元:オリコン
中谷美紀「ガッツがなかったから」続けられた女優業、結婚・海外生活で変化した仕事との向き合い方

 2018年にドイツ出身のビオラ奏者と結婚し、オーストリアと日本を行き来している中谷美紀。拠点を移してからも民放ドラマやバラエティー出演を重ね、精力的に活動。27日からは、彼女が出演したNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』の配信もスタートする(Netflixにて全9話世界190ヵ国へ独占配信)。同作ほか、“自立した強い女性”を演じることの多い中谷だが、本人は「まったく逆」と語る。「ガッツがなかった」からこそ続けてこれた女優業、そして、変化する環境下での仕事とプライベートの向き合い方まで語った。

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■イメージとは逆?「ガッツがなかったからこそ、ここまで続けられた」

 蜷川実花が監督を務めたNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』で、人気写真家・奈良リミを演じた中谷美紀。リミは、TOKYOの“いま”を敏感にキャッチし、モラルに囚われず確固としたライフスタイルを貫く女性だ。彼女の後押しにより、女優の卵・百田なつめ(池田エライザ)もまた、運命を変えていく。自立した女性と、何者でもない若者たちの姿がリアルに描かれているのが本作だ。

――リミという役のオファーを受けたときの率直な感想を教えてください。

【中谷美紀】台本を読ませていただいたとき、率直に「なぜ私なんだろう」と思いました。なぜなら、私とリミはまったく逆の性格、生き方だと思ったからです。ただ、他者の心の内を探ることを仕事にしているため、写真を通じて人を観察するという意味では、写真家という役柄はとても興味深いと思いました。

――真逆ということは、共感する部分はあまりなかったのでしょうか?

【中谷美紀】リミはパーティー三昧な暮らしですが、私の私生活は地味なので(笑)。でも、リミがスピーチで語る、「男性を通じてしか社会とつながれない人にならないでください」という言葉は印象に残っています。経済的にも精神的にも自立した女性であり続けるという考えには、私も共感します。ただ、それはあくまで個人的な気持ちですし、人にはそれぞれの考え方があると思います。

――リミの強さは、中谷さんにも共通するものだと感じていました。

【中谷美紀】私は、リミやなつめ(池田エライザ)が持っているようなガッツはまったくありませんでした。偶然街を歩いていたときに、以前お世話になっていた事務所の方にこの世界に導いていただき、いつのまにか辞めるタイミングを逸してしまい、いまに至るという感じなんです。ですから、なにがなんでも仕事にしがみつくガッツは、私にはありませんでした。若かりし頃はやる気がないと怒られていたくらいですし、この作品を観て反省すべき点はいっぱいあるなと感じました。ただ、逆にガッツがなかったからこそ、ここまで続けられたのかなとも思っています。必死にしがみついていたら、早くに心が折れてしまっていたと思います(笑)。

――その部分が、中谷さんとリミの大きな違いなんですね。

【中谷美紀】リミはやりたいことをなんでもやる、分母を100から200に増やせる人。でも、私は分母を増やすことができないんです(笑)。なにかを得るためには、なにかを捨てなければいけないと思うタイプです。だからこそ、仕事とプライベートはきっちり分けたいと思っています。

――演じる役柄をプライベートに引きずることもないのでしょうか?

【中谷美紀】役者は台本を読むのも仕事なので、なかなかうまく切り分けられない部分はありますが、役柄とプライベートはできるだけ切り離すようにしています。ただ自分では意識していないのですが、撮影期間は声が変わるようなんです。親しい人たちから、作品に入っているときは「電話の声が違う」と言われます(笑)。