MONKEY MAJIKのハイブリッドロックの本質を『thank you.』から考える

引用元:OKMusic
MONKEY MAJIKのハイブリッドロックの本質を『thank you.』から考える

20周年記念公演『MONKEY MAJIK Road to ~花鳥風月~』を行なっているMONKEY MAJIK。通算12枚目のオリジナルアルバム『northview』もリリースされ、アニバーサリーイヤーのムードが否応にも盛り上がってきた。メンバー全員が現在も宮城県在住の加日混合バンド。彼らの音楽性を『thank you.』から探ってみよう。

加日混合のハイブリッドロック

MONKEY MAJIK公式サイトのプロフィールにこうある。「フロントマンのカナダ人兄弟・Maynard-メイナード(Vo&Gu)とBlaise-ブレイズ(Vo&Gu)、日本人のリズム隊・TAX-タックス(Dr)とDICK-ディック(Ba) からなる仙台在住の4ピースハイブリッドロック・バンド」。

ハイブリッドとは“Hybrid”のこと。自動車を始め、あらゆる工業製品や技術に使われているので改めて訳すまでもないだろうけれど、異種のものを組み合わせたもの…という意味である。重箱の隅をつつくようだが、上記プロフィールが“ハイブリッド・ロックバンド”ではなく、“ハイブリッドロック・バンド”となっている点に注目してみた。

MONKEY MAJIKは加日混合メンバーのロックバンドだからその構成がハイブリッドであるということを示すのであれば、ハイブリッドなロックバンドということで“ハイブリッド・ロックバンド”と表記するのが適切なように思う。だが、“ハイブリッドロック・バンド”となっているということは、ハイブリッドロックがバンドにかかっている。つまり、彼らはハイブリッドなロックをやっているバンドということだ。それでは、ハイブリッドロックとは何かと言うと、件の和訳を当てはめれば、異種のものを組み合わせたロックミュージックということになる。

加日混合バンドであることも間違いないので、MONKEY MAJIKがハイブリッドなロックバンドであると言っても差し支えないはずであるから、“ハイブリッド・ロックバンド”としてもいいのである。そこを“ハイブリッドロック・バンド”としているには、おそらくそういう意図があるのだろう。彼ら自身もマネジメントも“そんなことはない”と言うかもしれないが、そんなことはあるのである。以下、彼らのメジャー第1弾アルバムであった『thank you.』からそれを紐解いていきたい。