ヨーロッパ企画「ドロステのはてで僕ら」は“エクストリーム時間SF”、特報解禁

引用元:映画ナタリー
ヨーロッパ企画「ドロステのはてで僕ら」は“エクストリーム時間SF”、特報解禁

劇団・ヨーロッパ企画が製作した映画「ドロステのはてで僕ら」の特報がYouTubeで解禁された。

【動画】「ドロステのはてで僕ら」特報(メディアギャラリー他2件)

ヨーロッパ企画主宰の上田誠が原案と脚本を担当し、劇団の映像ディレクター・山口淳太が監督を務めた本作。テレビとテレビが「時間的ハウリング」を引き起こし、2分前と2分後がつながったことから物語が展開する。合成技術は使わず、長回しの映像でタイムトラベルを表現する。特報には「僕が2分後の僕」「僕が4分後の僕」というセリフや「エクストリーム時間SF」というテロップが収められた。

映画は2月13日に京都・二条でクランクアップ。撮影を終えた上田は、本作の内容を「パズル的な構造をもつ時間映画であり、テレビ画面とからみ続ける映画であり、群像による長回しの映画」と紹介。「それを地元のカフェで撮るということ。京都の劇団である僕たちにできることはそれだしそれだけをする、と決めて、撮影に臨んだら時の牢獄が待っていました」と現場を振り返っている。

「ドロステのはてで僕ら」は4月25日より東京・下北沢トリウッド、京都・京都シネマほか全国で順次ロードショー。石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、本多力らヨーロッパ企画メンバーと藤谷理子がキャストに名を連ねた。

■ 上田誠 コメント
パズル的な構造をもつ時間映画であり、テレビ画面とからみ続ける映画であり、群像による長回しの映画。それを地元のカフェで撮るということ。京都の劇団である僕たちにできることはそれだしそれだけをする、と決めて、撮影に臨んだら時の牢獄が待っていました。OKテイクが出ない。ワンテイクを返すのに1時間かかる。今日が何日目か分からない。しかしながら底抜けに愉しかったし、ここ最近になく劇団の結束が瞬間的に高まったのもほんとうです。死に直面した時のそれでした。力を合わせてデスゲームから生還したような高揚のなかに今はいます。目が覚めるとまたあのカフェに戻っているかもと想像してゾッとします。しかし僕らは確かにクランクアップしました。もう一度書こう。僕らは確かにクランクアップしました。

■ 山口淳太 コメント
劇映画を初めて監督します。劇映画を作るのが夢でしたが、一本目がまさかこんな映画になるなんて思っていませんでした。映画監督に夢見ていた青年の自分に「数年後、時間SF映画を撮ることになるから、時間に免疫つけとけよ、さもないと現場でフリーズしてしまうぞ!」と過去を変えたい気持ちです。
そうです、撮影現場ではあまりの段取りの多さに胸やけし、フリーズしてしまいました。
ヨーロッパ企画メンバーに助けてもらい、そしてなにより現場で脚本の上田さんに付きっきりで寄り添ってもらい、万全の体勢で作ることができました。
こんな映画は後にも先にも、この作品だけだと思います。本当にクランクアップできてよかったです。