中村芝翫『松竹大歌舞伎』東コース予定通り開催 公文協・松本専務理事「コロナウイルスを芸の力で」

引用元:オリコン
中村芝翫『松竹大歌舞伎』東コース予定通り開催 公文協・松本専務理事「コロナウイルスを芸の力で」

 歌舞伎俳優の中村芝翫が25日、都内で行われた『松竹大歌舞伎』東コースの製作発表に参加した。

【写真】コロナウイルスへの対応を語った松本辰明専務理事

 5月1日の東京・江戸川区総合文化センターからはじまり、26日の東京・練馬文化センターまで、東日本の各所を回り、19館32公演を行う。新型コロナウイルスの感染が拡大し続けているが開催する予定。全国公立文化施設協会の松本辰明専務理事は「連日、コロナウイルスの話題で持ち切りでございますが、我々、劇場関係者としては今後、どのように対応すべきか、事態の推移を冷静に見守りたい」と判断する。

 公演自粛ムードが高まるが「風評に流されることなく、しっかりと見極めながら冷静に対応する必要がある。ある専門家の方がおっしゃっていましたが、大騒ぎするのではなく、正しく恐れるのが大事だと。過剰反応するのではなく、しっかりと対応していく必要がある」と話し「コロナウイルスを芝翫さんの芸の力で吹き飛ばしていただきたいなと思っております」と期待していた。

 東コースの演目は「義経千本桜 川連法眼館の場」と「連獅子」となる。芝翫は「3年ぶり。3年前は芝翫襲名の興行で回らせていただいた」としみじみ。同演目の義経役について芝翫は「平成2年。まだ結婚する前でございました。一口に義経と言いますけど位取りのある難しいお役だなと思います」と苦笑いで振り返った。

 また、5月からは東京・歌舞伎座で、十三代目市川團十郎白猿の襲名披露興行が行われる。芝翫は「歌舞伎界にとっては市川宗家は大切。團十郎は大変な名跡でございます。歌舞伎界は一丸となって襲名に向かっている。この地方興行も大事ですけど、歌舞伎座の團十郎の3ヶ月の襲名は僕自身も大事な興行だと思っています」と捉えていた。