『仮面ライダー』死神博士役・天本英世氏の命日 徴兵され、終戦を迎えた凄絶な過去

引用元:マグミクス
『仮面ライダー』死神博士役・天本英世氏の命日 徴兵され、終戦を迎えた凄絶な過去

 3月23日は、2003年に亡くなった俳優・タレントの天本英世(あまもと・ひでよ)氏の命日にあたります。『仮面ライダー』の死神博士役で大きな知名度を得た天本氏は、学生時代に太平洋戦争が勃発して徴兵されるという経験をしています。終戦後には東大に入学するも世捨て人のようになり、28歳のときに俳優を目指そうと決心するなど、激動の人生を歩みました。
 
 天本氏が演じた役では『小さなスーパーマン ガンバロン』のワルワル博士が一番好きだと語るライターの早川清一朗さんが氏を追悼します。

【画像】バラエティ番組でも人気だった天本英世氏 特撮出演作(5枚)

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 天本英世氏が亡くなってから、早くも17年の月日が流れましたが、氏の独特な風貌と不気味さとひょうきんさを合わせ持った雰囲気は、忘れようにも忘れられるものではありません。さて、天本氏と言えば『仮面ライダー』の死神博士役で有名です。新宿の地下街で天本氏とすれ違ったファンが「あ、死神博士だ」とつぶやいたところ、天本氏が「左様」と答えて立ち去ったというエピソードがあるほどです。地下街で不意に天本氏が姿を現し、そのまま通り過ぎていくというシチュエーションは想像しただけでとてつもないロマンを感じます。もう二度と、そのような機会が存在しないのが残念でたまりません。

 天本氏は死神博士以外にも特撮番組でさまざまな役どころを演じています。筆者にとって特に印象深いのが、『星雲仮面マシンマン』のプロフェッサーKに『小さなスーパーマン ガンバロン』のワルワル博士、そして『快傑ズバット』の2話に登場した用心棒、居合使いの風流之介です。いずれも見た瞬間に「あ、天本さんだ!」と分かるくらいに個性的な雰囲気を放っているのがさすがと言わざるを得ません。

 また1991年から放送された『たけし・逸見の平成教育委員会』(1994年から『平成教育委員会』)には途中までレギュラー回答者として登場し、国語系の問題ではしばしば高難度の日本語を回答して一度は不正解とされながらも、よく調べると実は正解だったということがあり、その国語力の高さでお茶の間を驚かせました。