「夫よ、お前が妊娠してみろ!」妊婦さんの怒りが現実化したマンガに、共感の声集まる

引用元:マグミクス
「夫よ、お前が妊娠してみろ!」妊婦さんの怒りが現実化したマンガに、共感の声集まる

 突然、妊娠中の妻になって目覚めてしまったら……? そんな、夫の奮闘の日々を描く『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート』(車谷晴子)が2019年2月15日(土)から講談社のマンガアプリ「Palcy」で連載スタートし、共感を呼んでいます。

【画像】妻に離婚を突きつけられた「俺」は妊婦に!? マンガ本編を読む

 物語は、主人公の「俺」が「あなたと子育てなんて絶対ムリ!」と妻に離婚を突きつけられる場面から始まります。意識を失い目覚めると、なんと妊娠中の妻の中身が「俺」に! 妊娠生活の過酷さに驚くとともに、「俺」の行動の身勝手さ、そしていかに自分自身が無神経だったかを思い知ることになります。

 想像を絶するつらさのつわりの最中に、「俺の飯は?」「じゃあ、1日中寝てただけ? マジで!? すっげーいいじゃん!」と夫は言い放ち、お湯をいれるだけのカップラーメンもつわりで倒れている妻に作らせ、つらさを気遣う素振りは感じられません。

 また、つわりで気持ち悪いと妻が主張しているのに、妊娠祝いで予約していたお店の「キャンセル料がもったいない」という理由でレストランに連れて行き、妻が嘔吐してしまった時にも「お店に迷惑だろ? 妊娠は病気じゃないんだから、体調管理は自己責任だぞ!」と言い放ちます。

 反響の声はSNSにも広がっています。「妊娠中の旦那の振る舞いでかなり人間性見えてくる」、「つわりが辛い、しんどいって弱音吐いただけで『じゃあ諦める?堕ろせるのっていつまでなの』って言った顔は今でも殴りたい!」など、夫の無神経な言動に対する声が多数あがっています。

 また、マンガにも出てくる「夫の飲み会問題」は、妻が気遣って欲しいポイントのひとつのようです。SNSでも、「昨日旦那さんの飲み会で初めて我が家でも妊娠中の旦那さんの飲み会問題が勃発」「妊娠中の妻がいますからって断れない自分情けないと思ってくれ」などの声があがっています。 「夫よ、お前が妊娠してみろ!」妊婦さんの怒りが現実化したマンガに、共感の声集まる 『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート』キービジュアル(画像:講談社)

大きな反響は当然? 妊娠・出産経験者のさまざまな声

 マンガに集まる共感の背景を知りたいと、実際に妊娠経験のある筆者の知人数人に話を聞いてみました。

 自営業の40代女性は、自分の妊娠中、夫が男友達たちからこぞって忠告されたといいます。それは、「妊娠中に夫が生活全般・家事や身体、精神面でどれだけケアしてくれたかが、その後の長い結婚生活のクオリティに影響する」ということ。「どんなにキツくても手を抜かずに妻のサポートをして下さい」と彼女は話します。

 また、デザイナーの30代女性は、「妊娠中に夫にイラッとした記憶はなく、よく夜中に足がつったのを文句も言わず直してくれた」と語ります。妊娠後期には足がつりやすくなる妊婦さんが多いといいます。彼女の家では、娘が小学生になった現在も夫婦円満だそうです。

 一方、「妊娠中にもっと赤ちゃんのお世話の勉強をして欲しかった」と語る元客室乗務員の40代女性は、「産後、ママが授乳など赤ちゃんのお世話に集中できるように準備しておいてほしい。家事も赤ちゃんのお世話もママだなんて言語道断」と、出産後に向けた夫の準備の大切さを強調します。

 本作『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート』で注目したいのは、主人公「俺」は、自分では優しく気がつく男だと思っていること。ただ無知なだけで、問題を知っていれば対応できることも多いのです。男性にとっても、妊娠中の妻の立場をマンガで追体験することで、気付きや発見があるかも知れませんね。 ライター 川崎晴代