『ゴジラ×メカゴジラ』の『エヴァ』へのオマージュ 度合いは『シン・ゴジラ』以上?

引用元:マグミクス
『ゴジラ×メカゴジラ』の『エヴァ』へのオマージュ 度合いは『シン・ゴジラ』以上?

 2016年に公開された映画『シン・ゴジラ』。その総監督は、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、エヴァ)を手掛けた庵野秀明氏ということで、いくつものコラボが生まれ、また本編にも音楽や、細かいポイントでオマージュが見られ、大きな話題となりました。しかし、その『シン・ゴジラ』以上に『エヴァ』へのオマージュが見られるゴジラ映画があります。
 
 それが2002年に公開された『ゴジラ』シリーズの第26作目『ゴジラ×メカゴジラ』です。ちなみに『ゴジラ』シリーズには「ごじらたいめがごじら」と発音されるタイトルの映画が14作目の『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)、20作目の『ゴジラvsメカゴジラ』(1993年)と3作品あります。またこれ以降、『ゴジラ×メカゴジラ』のネタバレを多く含みます。

【画像】『ゴジラ×メカゴジラ』でゴジラと戦った自衛隊の装備(5枚)

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『ゴジラ×メカゴジラ』は、興行収入が約19億円、観客動員数は170万人と悪い数字ではないですが、決して大ヒットと言えるようなものでもありませんでした。しかし、当時からマニアの間では話題になっていました。それは、1996年にTV放送が終了し、1997年には映画も公開された『エヴァ』に非常によく似たシーンが多かったという点です。

 まず、釈由美子さん演じるメインヒロインの家城茜(やしろ・あかね)は、自衛隊に所属する身寄りのない女性でメカゴジラのオペレーターです。その姿は、耳の隠れる少し長めのショートカットで、すらりと細い美人。作品後半では体のラインが良く分かるようなボディースーツを着て、「機龍」と名付けられたメカゴジラに乗り込みます。その性格もクールビューティ、ほとんど笑わず的確に任務をこなしてく姿は、『エヴァ』のヒロインのひとり、綾波レイを彷彿とせずにはいられません。

「機龍」を指揮する機龍部隊司令部の構造や、メカゴジラを格納してある格納庫の構造も「ネルフ」を想起させる雰囲気を醸していますが、この辺りはSFもののお約束の範囲内といったところでしょうか。ただし、巨大な「機龍」の頭をバックにしたキャットウォークで、重要な物語が展開していくあたりは、だいぶ既視感をおぼえます。