戦車レストアシム『Tank Mechanic Simulator』―博物館主としてリアルな戦車をレストアしまくれ!【爆速プレイレポ】

引用元:Game Spark
戦車レストアシム『Tank Mechanic Simulator』―博物館主としてリアルな戦車をレストアしまくれ!【爆速プレイレポ】

最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

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今回は、2020年2月21日にPlayWayよりPC向けにリリースされたDeGenerals開発の戦車修理シム『Tank Mechanic Simulator』について生の内容をお届けしたいと思います。

『Tank Mechanic Simulator』とは―博物館主となり歴戦の戦車復活を目指す
2018年5月に発表された本作は、2019年1月の配信延期を経てついに配信された戦車レストアシム。プレイヤーは、戦車博物館のオーナーとして依頼/発見された第二次世界大戦期のドイツとソ連、そしてアメリカ戦車を修理し復旧させるという内容です。

レストアする戦車は、見た目を綺麗にするだけでなく、エンジンパーツを揃え稼働状態にすることや、主砲の発砲状態にまで持ち込むことも可能。パーツを多く分解する必要性もあることから、分解結合を通じて戦車そのもののメカニズムも知れるようになっています。なおリリースの時点で日本語には対応していません。

『Tank Mechanic Simulator』の実内容に迫る―これであなたもレストア職人に!?
プレイを始めると、プレイヤーには作業場とガレージ、そしてレストアの仕事を受注出来るPCなどが与えられます。レストアのチュートリアルも完備されているものの、指示内容をある程度無視しても進行できるため、ある程度自由な作業場を運営出来ます。

レストアの手順は、錆落とし→錆止めを散布→オキサイドレッドの下地(プライマー)を塗装→本塗装の4段階。戦車本体とパーツの状態は持ち込まれたものによって異なり、長年野外に放置されたように錆だらけで部品も失ってしまったものや、錆だけが目立ってしまっているものなど様々です。依頼のクリアラインは内容によって異なりますが、一定の基準を超えても労力や資金を掛けて完全復旧状態に持ち込むこともできます。

Examineモードでパーツレストアの進捗状態を確認出来る
Tank Interiorモードで車内を透けて内部のエンジンや座席等を確認出来るが、Examineモードと併用出来ないため確認が難しい
また車体のシャシーや転輪などパーツ毎に判定があるため作業道具を根気よく当てる必要がありますが(技能のアップグレードで時間短縮も可能)、全体の進捗を確認出来る色分け表示や、全体で1時間もしないうちに1台レストアを終えられるバランスに仕上がっています。赤錆びだらけでいかにも「発掘された」風貌な戦車を、塗装を施し博物館で見られる外見まで復旧した時の達成感は一段と高く感じられるのが面白いところです。

初めに錆を落とす
次に錆止めを散布。表面がメタリック色になる
続いて下地(プライマー)を塗装
最後に全体を本塗装。依頼内容によっては塗装する必要は無い。
戦車レストアから見えてくる車輌の「メンテナンス性」
修復作業がある程度簡略化されているとはいえ、組み立て終えた後に分解して目的のパーツをメンテナンスする必要があった場合に立ちはだかるのが大量のパーツです。全組み立て後、トーションバー関連で錆落としや塗り残しがあった場合に、該当部分へアクセスするため多くの脱着工程を辿らなければならないことを…あまり想像したくありません。

6号戦車ティーガーのトーションバーをレストアするためには大量の転輪とボルトを外す必要がある
このことからレストアの工程や分解結合手順をプレイヤーが少し考えるシステムになっているのが面白く出来ています。部品点数が多くとも程よくまとまっているドイツ戦車や、各パーツへのアクセス性の高いソ連・アメリカ戦車など国別で対策を考えることも一興です。

戦車を掘り当て博物館の拡充を目指す!
本作には、依頼という形で野外に出て地中に埋もれた戦車を探し出すフィールドワークが盛り込まれています。戦車の探索は、マップ上に描かれた円の内側を、金属探知機を用いて探し歩くだけというシンプルな内容。円内には反応が複数ある場合もありますが、重機を使った大規模な掘り返しは何度も出来ないため、シャベルを使って戦車の確証を掴む必要性があります。

金属探知機で円内を歩き、音が変わる部分に旗を目印に穴を堀り、戦車を探し当てる
戦車を見つけたら重機を使って大きな穴を開ける
戦車を掘り当てると自動的に発掘スペースが組まれるが、ある程度泥汚れを落とさないとトレーラーに乗せられない
見事戦車を掘り当てたら、高圧水洗浄から泥汚れを落とした後にトレーラーを使って作業場へ搬送。この掘り当てた戦車はプレイヤーの所有物となるために、後々博物館へ展示して資金を稼ぐことも出来ます。他にも、レストアを施した後に燃料や冷却剤、オイルを充填し動態状態にまで復旧させ最低限動くように組み立ててテストコースも走らせられます。

またペイントルームを併設し、そこへ戦車を移すとカラーリングの調整やデカールを貼り付け可能。またドイツ品質保証・表示協会(RAL)などに基づいたカラーパレットも完備されているのは戦車ファンに嬉しい機能です。

カラーリング変更だけでなく数字など様々なデカールを車体に貼り付けられる
レストアした戦車は博物館に解説ボードと共に展示することで収益に繋がる
figcaption>エンジンと履帯・転輪周りをレストアした戦車はテストコースを走行させることができる
依頼された戦車のレストアから戦車の発掘/整備、そして展示までを体験出来る異色の戦車シミュレーターです。リアルな戦車の内部構造をメカニックマンとして事細かに触れられるため、「戦車好き」のユーザーには注目のタイトルではないでしょうか。

タイトル:『Tank Mechanic Simulator』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2020年2月21日
記事執筆時の著者プレイ時間:8時間
価格:2050円

「爆速プレイレポ」ではハードコアゲーマーなライターから読者に向けて、新作タイトルの生の内容を伝えるプレイレポートをお届けします。対象となるタイトルは、執筆時点で発売48時間内の新作、かつAAAからインディーまで、ジャンルやプラットフォームを問わず「読者が気になるだろうゲーム」もしくは「ハードコアゲーマーのアンテナが反応するゲーム」です。

性質上、本企画においてはゲームの評価や採点は行いません。ストーリーなどの「ネタバレ」も軽度な内容に留まることが殆どです。また、記事執筆にはデベロッパー/パブリッシャーからプレイレポート用として提供されたゲームソフトが含まれる場合もあります。プレイ時間自体も基本的には短い段階での執筆となります。

なお、マルチプラットフォームで展開されている作品においては、対応している機種のうちのひとつのエディションのみをプレイしています。そのため、本文内でプレイした際の使用機種についても明記しています。 Game*Spark G.Suzuki