たけしに加トケン、ファミコン芸人フジタが“80年代”芸能人ゲーム解説

引用元:ふたまん+
たけしに加トケン、ファミコン芸人フジタが“80年代”芸能人ゲーム解説

 みなさんこんにちは。ファミコン芸人のフジタです。今から約35年前、1980年代の中期は『スーパーマリオブラザーズ』が大人気でした。他メーカーからも、とりあえずスーマリ風のアクションゲームならハズれがないと、そういう理由で俗にいう“置きにいく”タイトルが量産されました。タレントが出演するスーマリ風のゲームも多数リリースされ、『聖飢魔II 悪魔の逆襲』(1986年)、『所さんのまもるもせめるも』(1987年)、『カケフくんのジャンプ天国 スピード地獄』(1988年)、『田代まさしのプリンセスがいっぱい』(1989年)などが作られました。

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 タレントゲーを出せば、どんなクソゲーだろうと売れたこの時代。あくまで「クソゲー」とは「おもしろおかしい」という愛を含んだワードですが、80年代後半はどれほどクソゲーであろうとも100万本売れる可能性を秘めていた豊かな時代だったんです。

 そんな80年代の「タレントゲー」。中でも有名なのはやはり、1986年にタイトーが発売した『たけしの挑戦状』でしょう。前述に挙げたタイトルと同じく、アクションゲームではあるものの、攻めに攻めまくっています。

 ヒントをくれた人を殺さないと、最後に自分が殺されたり、何のヒントもない地面を突き抜けたり、中身はある意味非常に濃い。あまりにも難解すぎたため、当時「クリア不可能」とまで評価された同作ですが、最初の街のシーンから抜けることもできず、ただただ、街の人や社長や自分の奥さんや子どもを殴り殺すだけのゲームになっていたという人も多いはず。

 また、人を殺すアクション要素以外には、2コンのマイクでゲームオリジナルの演歌「雨の新開地」を歌うシーンも印象的。これは2コンのマイクでカラオケを歌い「うまい」と言わせないといけないシーンなんですが、当時の僕はこれを散々練習したものです。

 実際にはうまく歌う必要はなく、マイクに“フーフー”とタイミングよく息を吹きかけるのがコツなんですが、死ぬほど練習したおかげか、『おはスタ』で行われた「たけしの挑戦状カラオケ対決」で、「雨の新開地」を熱唱する山寺宏一さんにも見事吹き勝ってしまいました!

 後に攻略本も出た『たけしの挑戦状』ですが、それを見てもクリアできないという人が多く、「攻略本の攻略本」として『たけしの挑戦状 ファミコンゲーム虎の巻II 完全解決版』(太田出版)までもが出ましたが、それを見てもクリアできない人ばかりで、出版社に問い合わせが殺到したため、出版社側が「担当者が死んだ」と嘘で逃げきったと言われています。

 昭和ですねー。