嵐“ラストイヤー”の目玉・北京公演を断念…苦渋の決断

引用元:スポーツ報知
嵐“ラストイヤー”の目玉・北京公演を断念…苦渋の決断

 ジャニーズ事務所は17日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響をかんがみ、今年限りでグループ活動を休止する人気グループ「嵐」が4月に予定していた中国・北京でのコンサート開催を断念すると公式ホームページ(HP)で発表した。活動休止前の“ラストイヤー”の目玉の一つとして国内外から注目を集めていたが、苦渋の決断となった。5人はこの日、中国のSNS「Weibo」に動画を投稿し、中国のファンに公演断念を自ら報告した。

 収束の見えない新型肺炎感染拡大が、芸能界にも影を落とした。ジャニーズ事務所はこの日夕方、公式HPで「昨年より、中国・北京で嵐のコンサートを開催するため、中国の主催者側にもご協力を頂き準備を進めておりましたが、この度の新型コロナウィルスの感染が拡大している状況に鑑み、関係各所の皆様と協議を重ねた結果、今回の開催は断念することになりました」と発表した。

 嵐は昨年11月3日のデビュー20周年記念日に会見し、北京公演を発表。2008年の上海公演以来、12年ぶりの中国公演。会場は08年の北京五輪のメイン会場で開会式などが行われた「北京国家体育場(鳥の巣)」が予定されていた。

 日中友好の懸け橋となりうるビッグプロジェクトは、外務省も力を入れており、メンバーは「2020日中文化・スポーツ交流推進年親善大使」に就任。北京公演だけでなく、関連イベントへの参加などのプロジェクトも水面下で進行していた。もし“決行”となれば、現地ファンのみならず、日本のファンも参加するとみられ、さらなる感染拡大を招く可能性もあるため、断腸の思いでの発表に踏み切った。

 メンバーはこの日、5人そろって中国最大のSNS「Weibo」に動画を投稿。中国語であいさつした後、リーダー・大野智(39)が「僕たち嵐から皆さんに報告があります」と切り出した。櫻井翔(38)が「今回は断念することになりました」と報告。松本潤(36)が「中国公演を、僕たちもとても楽しみにしていました」と話すと、相葉雅紀(37)も「楽しみにしていてくださった皆様、本当にごめんなさい」と続けた。

 嵐は02~03年に猛威をふるった新型肺炎SARSの影響で、アジアツアーが06年に延期になった苦い過去がある。待っているファンにパフォーマンスを見せられないもどかしさを誰よりも分かっているだけに、今回も悔しい決断だったとみられる。二宮和也(36)は「一刻も早く皆さんの生活が平穏な日々に戻ることを祈っています」とメッセージ。動画の最後にはデビュー曲「A・RA・SHI」を中国語で歌う映像が流れ、現地のファンに歌でエールを送った。

 今後、代替公演が行われるかは不透明だ。HPでは「引き続き、日本と中国の皆様の交流がより深まりますよう、その架け橋となるべくできる限りの活動をさせて頂きますので、何卒ご支援のこと、よろしくお願い申し上げます」と、何らかの活動を通じ日中の交友に力を貸すことを明言した。

 ◆主な海外公演の中止

 ★THE ALFEE 2001年9月27日に英国ロンドンで開催予定のコンサートを中止。11日の米中枢同時テロの影響で。

 ★中村鴈治郎(現・坂田藤十郎) 2005年4月6日に予定されていた主演の「松竹大歌舞伎近松座訪韓公演」韓国・光州公演が中止。主催者の判断だったが、竹島問題が背景にあるとみられた。

 ★NEWS 2007年10月6日、台湾・台北アリーナで初の海外ソロライブを行う予定が、台風15号の直撃で中止。7日の1公演を2公演にして対応。

 ★三遊亭楽太郎(現・円楽) 2009年5月9日に予定されていたメキシコでの落語会が豚インフルエンザの影響で中止に。

 ★SMAP 尖閣諸島付近での日本の巡視船と中国漁船との衝突事件の影響で、2010年10月9、10日の中国・上海での初コンサートが中止に。 報知新聞社