日テレ「パンダは笑う」苦戦中 横浜流星の腹筋はシロかクロか?

日テレ「パンダは笑う」苦戦中 横浜流星の腹筋はシロかクロか?

 日本テレビの日曜ドラマ枠で放送中の「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(夜10時30分)は、制作を系列局の読売テレビに移管しての1作目。視聴率は初回こそ9%台とまずまずの滑り出しだったものの、徐々に数字を落とし、9日放送の第5話で6%台と苦戦している。

 普段はおとなしい囲碁棋士のレン(清野菜名)が、精神医学を学ぶ大学生の直輝(横浜流星)の催眠で、驚異的な身体能力を持つ「ミスパンダ」として覚醒。「飼育員さん」である直輝と共に、世の中の“グレー”な事件に“シロクロ”つけるシニカルミステリーという触れ込みだ。

「清野は2018年の『今日から俺は!!』、横浜は19年の『あなたの番です』と、この枠のヒット作で印象を残した2人のW主演。2人の本格的なアクションが売りのドラマです」(テレビ誌ライター)

 確かにネット上でも清野と横浜のアクションは好評だが、それ以外では〈謎を散りばめすぎていて、散漫な印象〉〈横浜流星の腹筋とアクションがファンサービス丸出し〉〈パンダにコアラ、第5話では刑事のハブとマングースまで出てきて失笑〉などと辛口な意見も多い。

「Yahoo!テレビ」の「みんなの感想」では、20%近くの“星5つ”があるものの、“星1つ”の最低評価が大半を占める。

「ただ、テレビ局側は、そうしたことも織り込み済みだと思いますよ。それがこの枠のカラーでもあるし、局の姿勢でもある」と、テレビコラムニストの亀井徳明氏はこう続ける。

「視聴率だけを追求するなら、序盤で見せたような、80年代の『ザ・ハングマン』(朝日放送)的な“悪の実態を世に知らしめて痛快に裁く”という作りにしたはず。リアルタイムでテレビを見る層にはその方が分かりやすいし、日曜のこの時間帯にスカッとして新しい週に備えられる。そうせずに複雑に謎を散りばめたり、横浜の腹筋やアクションを強調したり、動物キャラを登場させるのは、この枠に関してはスマホやタブレット、PCなどで、時間を選ばずに見る層を意識している表れではないかと思います」

 散りばめられた謎を追うのも、横浜の腹筋を観賞するのも、結局は見る人の自由。視聴者はとっくに気づいている。リアルタイム視聴率は“グレー”なもの、番組の評価に“シロクロ”つけられるものではないってことを……。