体外受精

引用元:ELLE ONLINE
体外受精

40年以上に渡り、多くの女性が母になるための手助けをしてきた不妊治療法の一つである「体外受精(IVF)」。日本でも現在、16人に1人の子どもが体外受精で誕生していると言われており、特殊な治療法ではなくなっている。しかし、体外受精で子どもを授かるまでの道のりは決して平坦なものではない。高額な医療費や体への負担、心のケアなど、カップル、とくに女性側は数多くの問題と向き合わなくてはならない。

ここでは人々の心に寄り添うことを願い、自らの経験をオープンに語ったセレブを紹介しよう。 体外受精(IVF)の経験について率直に語ったセレブたち photo : Getty Images

ヒュー・ジャックマン

ヒュー・ジャックマンと妻のデボラ=リー・ファーネスは2000年に息子オスカー、2005年に娘エイヴァを養子に迎えているが、その以前にデボラは体外受精で2度の妊娠と流産を経験したという。

「それは堪えるプロセスでした」と2013年の『グッド・ハウスキーピング』で語ったヒュー。「体外受精で妊娠に成功した後は、毎日が、まだ持ちこたえてるぞ!まだ持ちこたえてる……!と思い続ける日々です。それがどんなに不安定で、彼女がそこに至るまでどんなに大変だったか。その後に流産したときにはとても落ち込みました。それはとても辛く、女性にとってはもっと辛いことだと思います」

その後、ヒューとデボラは体外受精を受けながら、養子縁組の可能性も探るために活動の拠点をオーストラリアからアメリカ・ハリウッドに。それがきっかけで今日の彼の代表作となったマーベル映画『X-MEN』シリーズへの出演が実現し、2人の子どもたちとの運命的な出会いに繋がったという。 体外受精(IVF)の経験について率直に語ったセレブたち photo : Getty Images

ブルック・シールズ

女優のブルック・シールズは産後うつについての経験をシェアした2005年の著書『Down Came the Rain(原題)』の中で、2003年に長女を出産するときに受けた不妊治療の体験についても告白。段階を踏みながら不妊治療を進めていたブルックは36歳のときに担当医から体外受精を受けることを勧められたという。

体外受精は一度では上手く行かず、何度もトライ。ブルックは「周りの人はみんな妊娠していきました。(中略)子どもが出来た人を素直に祝福できなくなりました。彼らを祝福することは自分とは関係ないことだと分かっていても、それは平手打ちを食らわされるような感じだったのです」と、当時の複雑な心境についても正直に打ち明けている。

ブルックと彼女の夫は2002年夏に最後の体外受精を受けることを決意。結果、4つの凍結した胚のうちのひとつが育ち、長女ローナンが誕生した。ブルックは2006年にも次女グリアを出産している。 体外受精(IVF)の経験について率直に語ったセレブたち photo : Getty Images

セリーヌ・ディオン

セリーヌ・ディオンは亡き夫レネ・アンジェリルとの間に2001年に男児を、2010年に双子の男児を出産しているが、いずれも体外受精で授かっている。一人目は一度の体外受精で出産まで経過をたどったが、双子の時は最初のようにはいかず、体外受精の回数は6度に及んだという。

2010年の米誌『ピープル』のインタビューでは一日置きのエストロゲンの貼り薬、血液検査、日々のホルモン注射など、体外受精を受けるまでの多岐にわたるプロセスの負担の大きさについても語っている。「それは『ああ、可哀想なセリーヌ』というわけではありませんが、でも、とても大変です」

(Text : NAOKO OGATA)