ヒプノシスマイクの“沼”に多くの人がハマる理由 その魅力は「ディグらせ力」

“ヒプノシスマイク”はたった2年で、もう随分と、ラップミュージック好きに限らず、あらゆる層を虜にしてきた――。

キングレコード内レーベル・EVIL LINE RECORDSが手掛ける音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」(以下、ヒプマイ)。男性声優18人によるラッププロジェクトであり、2017年の開始以来、アニメファン・声優ファンを中心に驚異的な支持を得ている。

二次元のアイドルやバンドはこれまでもあったものの、ラップというのは珍しい。しかもアニメやマンガ、ゲームといったストーリー原作にあたるものがプロジェクト開始時点で存在しなかった。ヒプマイに用意されていたのはキャラクターや設定、楽曲のみ。2018年末にようやくマンガ化、2019年に舞台化され、2020年にはゲーム化・アニメ化も予定されている。

ヒプマイは「楽曲と音声ドラマ」が原作であり、これまでリリースされたCDにはヒプマイのキャラクターそれぞれの楽曲となるラップ3曲と、ドラマトラックが2本収録されている。新曲のMVは公開されれば一瞬でYouTube急上昇ランキングに入り、ライブチケットの当選倍率も日に日にあがっている。

なぜ、ヒプマイはこれほどまでにファンたちを熱狂させ、次々に新たなファンを取り込んでいくのだろうか――。その理由を考察していく。

大まかなストーリーは領土をかけた“ラップバトル”

簡単にヒプマイの設定を説明すると、武力による戦争がなくなった世界で女性のみが政権を握り、各地で男性たちがラップで領土争いをしている……というもの。その領土のことをヒプマイの世界では「ディビジョン」と呼ぶ。

このディビジョンごとに全部で18人のキャラクターが存在する。出演している声優陣は、木村昴、石谷春貴、天崎滉平、浅沼晋太郎、駒田航、神尾晋一郎、白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏、速水奨、木島隆一、伊東健人、岩崎諒太、河西健吾、黒田崇矢、葉山翔太、榊原優希、竹内栄治という豪華な顔ぶれだ。

この18人が3人ずつに分かれ、「イケブクロ・ディビジョン(Buster Bros!!!)」「ヨコハマ・ディビジョン(MAD TRIGGER CREW)」「シブヤ・ディビジョン(Fling Posse)」「シンジュク・ディビジョン(麻天狼)」「オオサカ・ディビジョン(どついたれ本舗)」「ナゴヤ・ディビジョン(Bad Ass Temple)」の6チームに所属している。