「“バカ負け”するネタガンダム」「未発売キットの具現化」ガンプラを発展させたモデラーの“妄想力”

引用元:オリコン
「“バカ負け”するネタガンダム」「未発売キットの具現化」ガンプラを発展させたモデラーの“妄想力”

 今年40周年を迎えた『ガンプラ』は、ガンダムの生みの親である富野由悠季監督に「影響力は“決定的”です。もはや、プラモデルというジャンルさえも『ガンプラ』という名前に切り替えさせてしまったくらい、強力な“事業”」と言わしめるほどの、世界に誇る日本カルチャーとなった。そして、その文化を支えているのは“自由な発想と妄想”で自身の世界観を具現化するガンプラモデラーたちだ。ここでは、“バカ負け”するネタガンプラでSNSをバズらせた猫マシンガン氏と、スマホゲーム『ガンダムブレイカーモバイル(以下、ガンブレ)』のアニメPVに触発され、未発売のガンダムアルテミスを制作した、いべまに氏の取り組みを紹介する。

【写真】“セクシーすぎる”ガンダムだと…ッ!? これぞ40周年ガンプラの集大成

■ジオラマを見た人に、MSたちの“心の声”を聞いてほしい(猫マシンガン)

 ガンダムがザクの排気ダクトを引きちぎろうとするジオラマの作品名は「猫マ式ジオラマ『このザク、伸びるぞ!』」。インパクトのあるネタジオラマを見たユーザーからは「ちょっと引いちゃってる感じのガンダムがよい」、「飛び出たザクIIのモノアイもポイント高い」とSNSで話題となった。

 制作者の猫マシンガン氏は、「排気ダクトを引きちぎれず、ガンダムの『キモッ!』という気持ちとザクIIの『嘘でしょ…!?』というMSの“心の声”を聞いてもらえるよう制作しました」と、当時の心境を振り返った。

 このアイデアが浮かんだ瞬間について聞くと、「仕事の忙しい時にフッと頭に浮かんだので、その日の夜から作業を始めました」とのこと。苦労した点は、「排気ダクトが引っ張られつつのけ反るザクIIの体勢と両者の表情ですね」といった風に、仕事場でこっそりポージングしてみたりと、構図に説得力を持たせることに苦心したことを明かした。

 ガンダムファンなら誰もが知る名シーンのアレンジ。当然反響も大きかったようだ。

 「叱られることも覚悟していましたが、反響は凄く良かったです。展示会でも『この作品を見に来ました!』と何人かに言ってもらえて、見に来た人たちにも笑ってもらえたので作って良かったと思います」

 本作に代表されるように、猫マシンガン氏の作品はこちらがバカ負けして思わず笑ってしまうユーモアさが特長。名シーンを笑いに昇華させるプレッシャーはあったのか聞くと、「プレッシャーは特に無いです」と即答した。無理に面白くするのではなく、自分が楽しく作れればそれで良いと思っていると強調する猫マシンガン氏。「私が所属する模型クラブの隊長さんが『自分の好きなように作れ』と普段から言ってくれていて、そんな風に“放し飼い”にしてもらっているので色々と助かっています。それにガンプラのネタ系作品を作った時に応援してくれた恩人(私の背中を押してくれた人)との約束があるので、それを忘れない為にもまだまだ作っていきます!」