「離婚を考えたことはない」妻・中村玉緒が語る夫・勝新太郎への思い

「離婚を考えたことはない」妻・中村玉緒が語る夫・勝新太郎への思い

14億円の借金、薬物事件による逮捕、昭和の芸能界を騒がせた俳優・勝新太郎さん。

2月13日放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系)では、そのスキャンダルの誰も知らない裏側を妻・中村玉緒さんが告白した。

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マネージャー経由で結婚の申し込み?

実は勝さんと玉緒さん夫妻は、番組MCの坂上忍とも深い関係があった。1974年に放送され、勝さんが主演を務めた「座頭市物語」で、当時7歳の坂上は勝さんと玉緒さんと共演した過去を持つ。目の前で見た勝さんの立ち回りを坂上は今でもはっきりと覚えているという。

そんな坂上が今回、玉緒さんに直撃インタビュー。まず聞いたのは、玉緒さんと勝さんの独特すぎるなれそめから。

人間国宝の父と兄を持ち、歌舞伎界の名門・成駒屋のお嬢様として生まれた玉緒さん。2人は映画で共演し、勝さんは玉緒さんの純粋さに惹かれていったという。そして勝さんはイメージを裏切る意外な方法で玉緒さんを口説いていった。

ある日、パーティーと称して玉緒さんら俳優仲間を自宅に招待。盛り上がる中、マネージャーは玉緒さんを外に連れ出すと、「勝さんのこと好きですか?嫌いですか?」といきなり質問。突然の展開に玉緒さんは「好きか嫌いかでいうと、好きです」と答えたという。すると一週間後、「勝さんが結婚を前提にお付き合いをしたい」と、マネージャーから結婚の申し込みがあった。

こうしたアプローチに玉緒さんは「私は恋愛をしたことがなかったから、それがよかったんじゃないですか?ご飯を食べたり、順番があると思いますが、そういう順番がなくて、あっという間の出来事で結婚しちゃった」と笑った。

出会いから7年後。勝さん30歳、玉緒さん22歳のとき2人は結婚。プロポーズはなかったという。同じ年に長女、2年後には長男を授かり、幸せな日々を送っていた。

14億円の借金があってもマイペース

しかし、そんな夫婦を3つの事件が襲う。まずは「借金」。

結婚後、出演作を立て続けにヒットさせた勝さんは、自分で好きな映画を作りたいという思いから、35歳で映画制作会社「勝プロダクション」を設立。だが、14年後にこのプロダクションは倒産してしまう。

倒産の理由は多額の借金。勝さんは映画づくりへのこだわりから湯水のように制作費を使い続けただけでなく、毎晩のように夜の街で飲み歩き豪遊していたため、借金が膨らんでいったのだ。

その結果、勝プロダクションが抱えた負債は12億円。勝さんの名義ではこれ以上、借金ができなくなったため、玉緒さん名義で2億円の借金を重ね、総額14億円に膨れ上がる。

勝プロダクション倒産後、借金返済のため「勝プロモーション」を設立。玉緒さんが社長となった。かなり追い込まれた状況だが、玉緒さんは新会社設立の会見で「(借金は)明日にでも返したいんですけど。主人の働く具合とみなさまのお仕事をいただく具合と、私の勝新太郎をどう働かしていく具合でずいぶん違ってくると思う」と話すように、切羽詰まった様子は全く感じられない。一方、勝さんも14億円の借金くらいで悪びれる様子は見せなかった。

14億円の借金をどのように返したのか問われた玉緒さんは「20年くらい、毎月500万円ずつ」と明かす。毎月の返済額に驚く坂上に、玉緒さんは「だってその頃、私は売れていましたから」と笑った。

実は借金返済のさなか、玉緒さんは明石家さんまさんと出会い、天然キャラで大ブレイクし、数々のバラエティー番組に出演。さらに、芸能人御用達の着物作家の千地泰弘氏に勧められ、自身の着物ブランド「中村玉緒のきもの」を立ち上げると、その後30年続く人気ブランドに成長した。

テレビ出演と着物プロデュースという2つの収入源のおかげで借金地獄から抜け出せたという。

玉緒さんは「私はお金に恵まれていないけど、80歳になりましたが、人間には恵まれているということでは幸せだと思っています」と語った。