N・ポートマン、ケープに刺しゅうで無言の訴え

引用元:日刊スポーツ
N・ポートマン、ケープに刺しゅうで無言の訴え

米女優ナタリー・ポートマン(38)が、9日に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第92回アカデミー賞授賞式で、女性監督がノミネートされなかった現状を無言で訴えた。

プレゼンテーターを務めたポートマンは、黒と金を基調にしたシースルーのドレスでレッドカーペットに登場。ロサンゼルス・タイムズ紙の記者のインタビューを受けた際に「今年、素晴らしい仕事をしたのにその功績が認められなかった女性監督たちを私なりにたたえたかったの」とコメントし、ドレスの上に羽織っていた黒いケープに金色の刺しゅう糸で女性監督の名前が刺しゅうされていることを明かした。ケープにはノミネートが期待されながら5人の中に入ることができなかった「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のグレタ・ガーウィグ監督や「ハスラーズ」のローリーン・スカファリア監督、「フェアウェル」のルル・ワン監督ら8人の女性監督の名前が刺しゅうで刻まれていたという。

今年の監督賞には「ワンスアポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のクエンティン・タランティーノ監督、「1917 命をかけた伝令」のサム・メンデス監督、「ジョーカー」のトッド・フィリップス監督、「アイリッシュマン」のマーティン・スコセッシ監督、そして監督賞を受賞した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督がノミネートされていた。

アカデミー賞は近年、ノミネートされた俳優部門の20人全員が白人だったことなどから白人至上主義や男女格差などが問題視され、多様化を求める声が高まっている。ポートマンは2年前のゴールデン・グローブ賞授賞式で監督賞のプレゼンテーターを務めた際にも、「全員が男性の監督賞候補」と述べ、女性監督がノミネートされなかったことに抗議を示したことがある。(ロサンゼルス=千歳香奈子)