「即位礼正殿の儀」に“裏方”で出席 山科流30代家元後嗣・山科言親が語る“公家のお仕事”

引用元:TOKYO FM+
「即位礼正殿の儀」に“裏方”で出席 山科流30代家元後嗣・山科言親が語る“公家のお仕事”

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。1月19日(日)の放送では、山科流30代家元後嗣・山科言親(やましな ときちか)さんが登場しました。

◆“衣紋道”とはどんな仕事?

高須:衣紋道(えもんどう)って何でしょうか?

山科:“衣紋”というのは、天皇陛下や皇后陛下が宮中でお召しになる着装です。着付けをしたり、装束の仕立てを代々おこなっております。

高須:30代続いていますものね。初代はいつからのお仕事なんですか?

山科:平安時代からです。

高須:すごいですね。

山科:代々、“宮中に仕える公家”という立場で仕事をしています。

高須:公家というのは、皇族の周りでお仕事をされている方を指すのでしょうか? 公家は、どのような立場なのでしょうか?

山科:広く言うと宮中ですね。今で言うところの京都御所です。代々、天皇の身の回りのお世話をしたり、文化的・政治的・経済的な役割を果たしていました。

◆平安時代から引き継がれているもの

高須:2019年10月22日(火)におこなわれた、「即位礼正殿の儀」にも、着付けのためにいらっしゃったと聞きました。

山科:そうですね。裏方として、装束の着装をおこないました。

高須:現場は、どのような空気でしたか?

山科:私はあまり緊張しなかったんですけど、普段とは違う空気は感じました。

高須:どれぐらいの距離感で皇族の方をご覧になられていたんですか?

山科:我々は裏方なので、お着付けしたあとは宮殿の奥で控えていました。父も同様です。

高須:今回はどのようなことをされたのですか?

山科:父が、天皇陛下の装束の着装をおこないました。

高須:すごいですね。(想像すると)手が震えそうです。

山科:そうですね(笑)。

高須:装束のサイズは事前にいただけるんですか?

山科:はい。装束の寸法書きは、あらかじめいただいています。発注されて、御作りになられている装束を、着付ける流れです。

高須:柄も色も、事前に指定されているのですね。

山科:実は、天皇陛下にしか許されていない“色”と“文様”がありまして。我々が指定することもできないし、天皇陛下が変更することもできないんです。

高須:そもそも決まっているんですね。装束の決まりは、ずっと変わっていませんか?

山科:そうですね。装束の形は、平安時代からずっと維持していますね。

高須:昔からあの色を着ていたんですね。