松之丞改め神田伯山、2・11に44年ぶり復活!滝沢カレンら祝福

 11日に真打ち昇進と同時に講談の大名跡、神田伯山(かんだ・はくざん)の六代目を襲名する神田松之丞(まつのじょう、36)が9日、東京・浅草ビューホテルで披露宴を開いた。落語家の立川志の輔(65)や歌舞伎俳優の尾上松緑(45)ら約400人の祝福を受けた松之丞は「20、30年後、皆さんにあいつが継いでよかったといわれるような六代目になりたい」と精進を誓った。

 44年ぶりに講談界の大名跡、伯山が復活する。

 釈台を扇でたたきながら話術で物語を聞かせる講談は、名人といわれた初代らの活躍で明治時代に盛んに。その六代目を襲名する松之丞はチケットが取れない人気講談師へと成長した。

 あいさつに立った松之丞は「重い重い名前ですが、20年、30年後、皆さんにあいつが継いでよかったといわれるような六代目になりたい」。そう決意表明すると、温かい拍手がわき起こった。

 宴には親交の深い約400人が出席。松之丞の師匠で人間国宝の神田松鯉(77)が大ファンというフリーアナウンサーの赤江珠緒(45)が司会を務め、「五代目までが名人といわれましたが、六代目は名人といわれるか、ハズレの伯山となるか」と毒舌混じりに紹介されると、松之丞は珍しく頬を緩めた。

 だが、所属する落語芸術協会副会長の春風亭柳橋(63)に「伯山は実力はもちろん、看板をあげることでお客さまが大勢くる大看板ともいわれます。気負わずじっくり育てていって」と激励され、落語協会副会長の林家正蔵(57)から「日本の話芸を広めてください」とエールを送られると、顔を引き締めて背筋を伸ばした。

 この日、盛り上げ役を担ったのが、テレビ朝日系「松之丞カレンの反省だ!」(土曜深夜0・10)で共演するタレント、滝沢カレン(27)。祝辞で「この度はお集まりいただきましてありがとうございます」と冒頭から身内になりきったあいさつで“カレン節”をさく裂させると、「伯山先生、この度は下の名前がお変わりになったということで本当におめでとうございます」などと芸人以上のボケで会場を沸かせた。

 松之丞は多くの人の祝福に感謝。2007年に松鯉門下へ入門したときに師匠と2つの約束「やめてはいけない」「とってよかったと思う弟子になれ」をしたことを告白し、大名跡の頂を目指すことを誓った。