『ジョジョ・ラビット』ナチスも人間的に描いたワケ…タイカ・ワイティティ監督が明かす

『ジョジョ・ラビット』ナチスも人間的に描いたワケ…タイカ・ワイティティ監督が明かす

 第92回アカデミー賞で作品賞など6部門ノミネートを果たした映画『ジョジョ・ラビット』で監督、脚本、製作、そしてヒトラー役まで務めたタイカ・ワイティティが電話インタビューに応じ、本作に込めた思いを明かした。

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 本作は、第2次世界大戦時のドイツを舞台に“反ヘイト”をうたうスウィートな風刺劇。主人公は、空想のヒトラーを友達に持つ、ナチスに教化された10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)。しかし、そんな彼の世界の見方は、母(スカーレット・ヨハンソン)が自宅に密かに匿っていたユダヤ人の少女(トーマシン・マッケンジー)と出会ったことで、大きく揺さぶられることになる。 シリアスな題材でありながら、ワイティティ監督は自身が演じるアホっぽい空想のヒトラーを筆頭に、笑えるコメディーとエモーショナルなドラマのバランスを絶妙に取っている。ワイティティ監督は「僕は、いつも映画でそれをやろうとしているんだと思う。コメディーとドラマを混ぜることをね。だからいつもやっていることをやろうとしただけだ。純然たるドラマのやり方は知らないから、できなかったというのもあるけどね」とさらりと語る。 ヒトラー役は「楽しい役ではなかった。あの格好をした自分の姿を見るのはなかなかきつかった」とこぼすも、「うまくやる秘訣は、忠実に演じるようにしないこと。(子供の空想だから)もっと子供っぽく、アマチュアな感じにした。僕はそれがとても得意なんだ」とにやり。もともとは自分で演じるつもりではなかったというが、「今は、これで良かったんだと思う。僕がこの役に求めているのはとてもはっきりしたものだったから、自分にしかできなかったんじゃないかと思う」。ユダヤ人の母とマオリの父を持つワイティティ監督だけに、「ヒトラーは僕が演じるのを嫌がるだろうから、それはよかった(笑)。それに彼についてのリサーチは一切しなかったんだ」と振り返った。

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