山下達郎のライブは「時間旅行」だった…野村訓市が振り返る

引用元:J-WAVE NEWS

J-WAVEで放送中の番組『TRAVELLING WITHOUT MOVING』(ナビゲーター:野村訓市)。12月1日(日)のオンエアでは、野村が山下達郎のライブに足を運び「時間旅行」をした体験について語った。

久しぶりに足を運んだ山下達郎のライブ

野村が10歳のころに初めて買ったアルバムは、山下の『POCKET MUSIC』。一時期のブランクはあるものの、今も山下の音楽を聴き続けている。

昨今のシティポップブームも相まって、山下のライブはプラチナチケット化している。野村も足を運ぶことができていなかったが、先日、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での公演を観に行くことができたという。

野村:達郎さんの3時間半のライブ。今回は「時間旅行のようだった」という印象です。ヒット曲をたくさん演奏してくれたというのもありますが、いろいろな時代の曲をやってくれたんです。たとえば最初に買ったアルバムの『POCKET MUSIC』に入っていた『土曜日の恋人』。これはバブル直前のころのテレビ番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系) のテーマソングです。まだ週休2日になる前。土曜日が祝日ではなくて、学生は土曜日に学校があって、大人は会社に行っていた、「花金」なんていう言葉が出る前のころです。バブル時代ということもあって、土曜日の夜の活気はものすごいものがありました。その日は遊んで、日曜は休むかゴルフに行って、月曜から働く。あのころのサラリーマンの人たちのバイタリティは子どもの目にも強烈でした。僕はこの曲を聴いて、友だちの家に泊まりに行くときに通っていた東横線の渋谷駅の情景が鮮やかに蘇りました。

野村は『ドーナツ・ソング』も聴いたと話し、「渋谷の公園通りに『ミスタードーナツ』があったころの歌」と振り返ると「友だちと行ったなあ」「あそこで会った女の子の名前は誰だっけ?」と、青春時代の記憶に思いを馳せた。

『クリスマス・イブ』とともに生まれた女神たち

定番曲『クリスマス・イブ』も演奏された。野村はこの曲を聴くと、世間が「クリスマスはカップルのもの」と狂乱していた、10代から20代前半のころのことを思い出すという。

野村:この曲はJR東海の「クリスマス・エクスプレス」という新幹線のCMシリーズで流れて脚光を浴びた曲です。出ている女の子がみんなかわいくて、特に牧瀬里穂。『クリスマス・イブ』をバックにホームを走る牧瀬里穂を観た高校の友だちは、彼女を神様だと信じていました。渋谷を歩いていたとき、一日署長で制服を着て、車のパレードをする牧瀬里穂を見かけたことがあるんですが、友だちはそのまま道に飛び出して「ひかれて僕は彼女に逮捕してもらうんだ」と。「なにを言っているんだ」という感じでしたけども……そんなことも思い出しました。