まるで“就活生”沢尻エリカ被告は終始無言「社会人としての心構えが十分ではなかった」裁判官の言葉に小さく頷く

引用元:中日スポーツ
まるで“就活生”沢尻エリカ被告は終始無言「社会人としての心構えが十分ではなかった」裁判官の言葉に小さく頷く

 合成麻薬MDMAやLSDを所持したとして麻薬取締法違反の罪に問われた女優の沢尻エリカ被告(33)の判決公判が6日、東京地裁で開かれ、滝岡俊文裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑1年6月)の有罪判決を言い渡した。

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 沢尻被告は先月31日の初公判と同じように黒い髪を後ろで束ね、黒のパンツスーツに白いシャツ姿で出廷。ただ初公判で目を引いた紅色の口紅は目立たないほど薄くなっていた。

 約10分間の公判で沢尻被告は終始無言のまま、入廷と退廷の際に丁寧に頭を下げたほかは伏し目がちで表情を変えることもなかった。就活生のような質素なたたずまいからは、かつて“エリカ様”と呼ばれた華美な女優オーラは完全に消えていた。

 裁判官は判決理由の中で「発覚しなければよいという安直な動機に基づく犯行」と厳しく指摘。周囲の忠告にも関わらず薬物を入手できる知人男性との付き合いを続けたことや、知人女性から購入したLSDを冷蔵庫に保管したことなどを挙げ「規制薬物の社会的害悪を顧みず、被告人の刑事責任を軽く見ることはできない」と断じた。

 一方で「罪を認めて反省の態度を示し、保釈中に入院治療を受け、今後も通院を続けるなど更生する姿勢を明らかにした」とも指摘。主治医や兄が支援を申し出ていることにも言及した。

 証言台に立った沢尻被告は裁判官をじっと見つめ、直立不動のまま、時折小さくうなずきながら裁判官の言葉にじっと耳を傾けた。

 判決言い渡し後、裁判官は沢尻被告に対し「女優として仕事に取り組む前提として、他人のことを思いやる社会人としての心構えが十分ではなかった」とも指摘。「一人の社会人として年齢相応に信頼されるように努めてほしい」と説諭した。さらに薬物犯罪の再犯リスクが高いことも強調し「更生への意欲がウソではないことを信じている」と期待をにじませた。

 沢尻被告は昨年11月16日、東京都目黒区の自宅マンションでMDMAの粉末、LSDを含んだ紙片と液体を所持した。