15年で売り上げ30憶! アートフェア東京・ディレクター 北島輝一が見据えるアートの在り方

引用元:TOKYO FM+
15年で売り上げ30憶! アートフェア東京・ディレクター 北島輝一が見据えるアートの在り方

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。1月5日(日)の放送では、アートフェア東京のマネージング・ディレクター 北島輝一さんが登場しました。

◆日本最大のアートフェアを運営

高須:北島さんは何をされている方ですか?

北島:「アートフェア東京」というイベントを運営しています。日本最大のアートフェアです。日本を中心に、約150のアートギャラリーが展示即売会をおこないます。開催期間は3月に4日間です。

高須:イベントは現在何年目ですか?

北島:2005年から実施していまして、今度が15回目です。

高須:僕は2005年ぐらいに行ったことがあります。もっと前からやっているものだと思っていました。

北島:その前身のイベントであるNippon International Contemporary Art Fair (NICAF)が横浜でおこなわれていましたね。最終的には「アートフェア東京」の開催地である、東京国際フォーラムで実施されていました。そちらは1992年から、だいたい2年おきぐらいにやっていました。

◆アートは資産ビジネスになる

北島:最初の頃は、だいたい2、3億ぐらいしか売上がなかったんですけど、アベノミクスの2015年ぐらいから売上があがっていきました。

高須:一気にあがったんですか?

北島:はい。去年の3月は、約30億円を売り上げました。

高須:すごいですね! それは、何が原因ですか?

北島:ちゃんと“お金持ち”を呼ぼうとしたことですかね。今までアートに興味がなかった人たちを意識しました。欧米だと、富裕層の資産の10パーセントぐらいはアートだったりするので。

ただ、海外は寄付税制が全然違いますけどね。税金を払うのと、アートを買って寄付するのが、アメリカだと“等価”なんですよ。“公共”って概念が日本と違っていて。(アメリカは)みんなのポケットにあるものをテーブルの上に出したら、それが公共になる。公立の美術館って、アメリカだとワシントンのナショナル・ギャラリーしかないんです。

高須:えっ!? あそこだけですか? ほかは何ですか?

北島:基本的に財団が運営しています。“私営”なんですよ。

高須:そうなんだ。日本とは違う感じがしますね。

北島:日本だと“お上(おかみ)”がいて、公共をみんなに提供している感覚がありますよね。

高須:富裕層の方は、そのアートが好きで買う人もいるでしょうけど、“先物買い”のように買ってしまう人も多いですよね?

北島:そうですね。欧米は相続税も低いので、資産ビジネスに対してのインセンティブがけっこう大きくて。日本だと、資産は地味というか、信頼とか結果が必要となりますよね。なので、商売が“売った・買った”で終わってしまうことが多い。欧米は“コレクターをどう育てるか”っていうのが、ギャラリーの使命でもありますね。

高須:ちゃんとしているんですね。

北島:欧米の話ですけどね。“日本でも、そういう風にしましょうよ”って提案をしている段階です。