生誕100年…今明かされる森光子さん最後の2年、親交深かった6人が思い出語る

生誕100年…今明かされる森光子さん最後の2年、親交深かった6人が思い出語る

 2012年に死去した国民的女優、森光子さん(享年92)の生誕100年プロジェクトが始動することが5日、分かった。ベールに包まれていた10年の舞台降板から亡くなるまでの森さんの動向が3月9日発売の「森光子 百歳の放浪記」(中央公論新社、税抜き900円)で明かされるのを皮切りに、誕生月の5月と命日の秋に遺品展を実施し、秘蔵映像も披露予定。国民栄誉賞受賞女優の“1世紀イヤー”が幕を上げる。

 89歳まで舞台に立ち続け、代表作「放浪記」の2017回上演など日本演劇界に金字塔を打ち立てた名女優のベールに包まれた2年間がついに明らかになる。

 5月9日の生誕100年を記念したプロジェクトの第1弾は、関係者が「ありったけの材料で本来の森を知ってもらいたい」との思いを込めて世に送り出す書籍「森光子 百歳の放浪記」。

 同書はNHKで森さんのドキュメンタリーを6本制作した元同局プロデューサー、川良浩和氏が故人と親交の深かった人々を取材。森さんが2010年5、6月に上演予定だった「放浪記」を体調不安から降板し、亡くなるまでの2年間が初めて明かされるほか、常に新しいことを取り入れ、柔軟な考えを持った森さんの長寿のヒントなどもつづられている。

 「放浪記」の降板後の森さんは翌11年に50周年を迎える同作の上演に向け体力づくりを敢行。森さん演じる主人公、林芙美子のライバル、日夏京子を演じた女優、黒柳徹子(86)は、故人から送られた最後のファクスを記し、「女優は元気にならなきゃだめなのって言われたような気がした」と、スケジュールを空けて、再演を待ち望んでいた心境を吐露した。

 さらに、旅行へ出掛けるなどの付き合いをしていた少年隊の東山紀之(53)は11年11月に誕生した長女を会わせたことを述懐し、「しっかり抱いていただいて、おかげさまですくすく育っています」と明かせば、今月4日に舞台「Endless SHOCK」が開幕したKinKi Kidsの堂本光一(41)も「森さんの少しヤンチャなところがいとおしくてしようがない」と懐かしんだ。

 そのほか、人を驚かせるのが好きだった森さんらしい仰天の交友関係などメモリアルイヤーの第1弾を飾るにふさわしい内容になっている。多くの人々に愛された国民的女優の大規模プロジェクトに注目だ。