U2、13年ぶりの来日公演で魅せた『ヨシュア・トゥリー』完全再現 改めて見せつけた唯一無二の“型”

引用元:オリコン

 グラミー賞を22回受賞、累計セールス1億5000万枚以上を誇る世界的ロックバンドU2が『ヨシュア・トゥリー・ツアー2019』で来日。2006年の『ヴァーティゴ・ツアー』以来、13年ぶりの来日公演が12月4日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで実現。約2時間半にわたり満場の観客を熱狂させた。

【写真】「日本」を背景にパフォーマンスするU2

■名盤『ヨシュア・トゥリー』を完全再現

 同ツアーは1987年に発表されたアルバム『ヨシュア・ツリー』の30周年を記念して2017年にスタートし、北米、ヨーロッパ、南米で270万人以上を動員。名盤と名高い『ヨシュア・ツリー』を完全再現したセットリスト、巨大なスクリーンを駆使した映像も高い評価を獲得し、U2の健在ぶりを改めて証明するツアーとなった。

 アジア、オセアニアを中心とした“続編”では、U2史上初となるシンガポール、ソウル、マニラ、ムンバイでの公演も実現。日本公演でも、さらに進化した「ヨシュア・トゥリー・ツアー」を体現してみせた。

 ライブは初期の代表曲「Sunday Bloody Sunday」(アルバム『WAR』収録/1983年)でスタート。さらに「New Year‘s Day」「Pride(In the Name of Love)」(アルバム『焔』収録/1984年)などのヒット曲を“ヨシュア・ツリー”の木の形を模したサブステージで次々と披露する。アリーナ(スタンディング形式)の観客は拳を上げ、大合唱が巻き起こる。爆音のサウンドが生々しく響き、まるでライブハウスのような熱気だ。ピリッとした緊張感をたたえたエッジーな演奏、ダイナミックなボノのボーカルも素晴らしい。

 メンバー4人がメインステージに戻り、巨大なスクリーンが真っ赤に染め上がると、ここからは『ヨシュア・トゥリー』を完全再現。「日本の子供ために、平和に思いを馳せよう。この地域、そして世界へ向けて平和への祈りを、そして感謝を捧げよう」といいうボノのメッセージとともに「Where the Streets Have No Name」「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」「With or Without You」と曲順通りに演奏し、アルバムの世界観を描き出していく。